思ったほど高くなかったデンマークの投票率
昨日のデンマークは地方統一選挙が行われたので、本日の職場での話題は選挙の結果で盛り上がっていました。
どうやら、Konservative (右派の保守党)が112年間守ってきたコペンハーゲン首都圏の地区を、現在国政を担っているSocialdemokratiet(左派の社会民主党)が奪うという歴史的な出来事がハイライトだったそう。
また、オーフス市でもSocialdemokratietが勝利したそうで、現職市長のJacob Bundsgaard さんは続投が決まったそうです。
ただ、デンマーク全体で見るとSocialdemokratietは前回の地方統一選挙の結果より悪く、全国での票の数がマイナス4%という結果に・・・。
地方選挙なので、いきなり国政へと飛び火するわけではありませんが、Socialdemokratietの党首でもあり、デンマークの首相でもあるメッテ・フレデリクセン首相的には支持率の維持と政党内の舵取りが難しい局面かもしれません。
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一方で大きく票を伸ばしたのは、首都戦で負けてしまったはずのKonservative党。「保守」という名前なのですが、政党方針はかなりリベラルで「個人的な自由、経済的な自由」に重きを置いています。(政党の名前が、政党方針を表していないのは、デンマーク政党あるあるです 😅)
伝統的にデンマークは社会福祉に重きを置いていますが、ロックダウンの影響で、ビジネスや経済的なインパクトを受けた自営業、中小企業の経営者、大企業の中堅幹部層などの経済界の支持を得たのかもしれません。
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個人的に気になっていたのは、愛国主義(=外国人・移民排他主義)を主張している極右政党の結果。
こちらは嬉しいニュースと悪いニュースで複雑・・・😖
嬉しいニュースは、厳しい移民政策を推進してきた Dansk Folkeparti (Danish People’s Party)が大きく議席を減らしたこと。前回の地方選挙に比べるとマイナス4.7%と落ち込み、もっとも負けた党になりました。(わーい♪)
一方で悪いニュースは、Dansk Folkepartiよりも過激な主張を行うことで有名な超極右勢力「Nye Borgerlige」が、事前予測を大きく裏切り大躍進してしまったこと😢
Dansk Folkepartiの極右サポーターを取りこむ形で勢力が大きくなってしまったのではないかと、ニュースでは分析されていました。
ただ、Dansk FolkepartiとNye Borgerligeを合算した得票数で言うと、前回の地方選挙よりもマイナス2%となったそう。全体では極右思想に賛同する人が減っているようなのでひとまず安堵ですが、Nye Borgerlige党の勢いが増すモーメンタムは嫌だなぁという感じです。
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さてデンマークでは、選挙参加率が平均80%と高く「政治への関与やデモクラシーを尊重している」という話をよく聞きます。
で、今回の選挙参加率は・・・
67.2%
ん? あれ?
日本よりも高いけど・・・思ったほど高くない?
なんだか事前に聞いていた話と違うゾ。民主デモクラシーのデンマークはどうしたんだろう🤔
感染対策の影響なのかよく分からないのですが、今回の選挙では投票所に長蛇の列ができ、それで嫌気がさしたのではないか?説が流れています😅
たしかに、投票所になっているオーフス市役所に寄ってみたら、長蛇の列になっていて少しびっくりしました。
ちなみにこの記録は、
なんと100年間でワースト3になるぐらい投票率が低かったみたいです。
先月日本で行われた衆議院選挙も戦後3番目に低い55.93%という記録だったそうなので、変なところで似ているデンマークの地方選挙2021でした〜。