デンマークの大学の卒論:修士論文
昨日、奥さんの修論の状況をnoteにアップするにあたって、奥さんからオーフス大学の修論のガイドラインを見せてもらいました。
もしかしたら、オーフス大学(もしくはデンマークの大学)に留学される方に役立つかもしれないので、ちょっとこちらでまとめてみることにします〜。
Master’s thesisとは
Master’s thesis は、いわゆる修士論文というもので、デンマークでは修士課程を修了するために必ず執筆しないといけないものです。
一応、修士課程で学んでいる専門分野に関連したテーマにする必要がありますが、執筆するテーマは「自分で決める」のが基本です。
執筆する内容は、決めたテーマで研究をした内容です。研究と言うと、実験室で科学実験🔬するようなイメージがありますが、論文を調べたり、インタビューをしたり、ニュースを調査したりというのも立派な研究です。
テーマや専門領域にもよりますが、修士論文には👇のような内容を盛り込むのが多いようです。
どういう課題意識を持って研究に取り組んでいるのか?
研究で解明したい、明確にしたい「問い (Research Question)」は何か?
どのように研究を進める(進めた)のか?
研究で見出した発見は何か?
発見の結果、何ができたのか?
ちなみに、デンマークにおける修士論文の単位は30ECTSとなっていて、修士課程全体の単位(120ECTS)の4分の1を占めるビッグプロジェクトになっています。
※ ECTSとは欧州共通で使われる大学の単位で、1ECTSが28時間分の勉強時間に相当します。つまり、30ECTSの修士論文は840時間に相当します。
修士論文の期間と開始時期
デンマークのMaster’s Programme (修士課程)は、おおよそ2年間のコースがほとんどのようです。そして、2年間で4学期分あります。(修士課程全体の単位が120ECTSなので、1学期が30ECTSに相当します)
そして、修士論文を執筆するのは最後の4学期目。4学期目がまるまる Master’s Thesis となるので、他の授業はなく、研究と論文作成に専念することになります。
ただし!実際には1年生の2学期目には手続きが始まっちゃいます。
大まかなスケジュールで言うと👇な感じ。
[2学期目 (1年生)]
5月1日(1年2学期目中盤) – 仮テーマと希望指導教官をインプット
6月1日 – アサインされた指導教官の通知
・・・各自指導教官と相談(夏休みだけど)・・・
[3学期目 (2年生)]
12月15日(2年1学期目終盤) – Supervison Planの提出
・・・研究・論文執筆本格化・・・
[4学期目 (2年生)]
4月22日 (2年2学期目中盤)- Thesis submission statementの提出
・・・研究・論文執筆をがんばる・・・
6月1日 – 修士論文の提出
6月30日 – 結果発表
1年生の2学期目には、大まかなテーマを決めて指導教官の希望を出す必要があります。
そして、指導教官が決まったら、各自で指導教官にコンタクトを取って、テーマの絞り込みや研究計画を固める必要があります。
そして、年末に提出するSupervison Planという研究計画書を提出したら、いよいよ研究と論文執筆の本格的スタートです!
修士論文提出期限6週間前の4月22日に、手続き上必要なThesis submission statement※というものを提出しますが、あとは研究と論文に専念するだけ。
かなりの長丁場ですが、指導教官と相談しながら「頑張る!」というのが基本です。
※ 修士論文は、指導教官ではない別の審査官が必要らしく、Thesis submission statementを出すことによって、論文のテーマに明るい審査官が選定されるそうです。
修士論文のページ数
気になる修士論文のページ数・・・
論文の種類によりますが、「120,000〜168,000文字(おおよそ50-70ページ程度)」か、「84,000〜120,000文字(おおよそ35-50ページ)+ 成果物」
前者は、論文だけで色々な分析をするMonograph Thesisというもの。
後者は、論文に加えて、実用的なサンプルや見本を作る Product Thesis と言われるそうです。(ちなみに奥さんは、Product Thesis を選んでいます)
なお、文字というのは単語数ではなく、本当に1文字、1文字の “Character数” 。アメリカやオーストラリアでは単語数が一般的なのですが、なぜか北欧では”Character数”が主流のようです。(以前書いた「米と豪と違う!デンマークの大学のレポートルール」に詳細を記しています~)
そして、上限が設定されているのもデンマークらしい。ダラダラ書くのは良しとされていないこともありますが、採点する人のワークライフバランスを守る必要があるのかもねっ。
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かなりニッチな情報ですが、デンマークの大学・大学院留学を検討されている方に役立てば嬉しいです♪