国境を超え役立つスキルは、ホウ・レン・ソウではなく「ざっそう」だ!
早いものでもうすぐ4月。
日本だと新しい年度のスタートですね。
実は、今年の4月1日は僕にとって少し切ない日になります。
なぜかと言うと、日本で新入社員から14年間勤めた前職の会社がなくなってしまうから。
正確に言うと4月1日付で社名が変わるだけなので、会社そのものは無くなりません。
たかが社名じゃないかと思われるかもしれませんが、社名=ブランド名という会社だったので名前を無くすのは大きな経営判断だったはずです。とはいえ、会社にとっては「みらい」へ前進するための布石。いち卒業生として、古巣の会社の新しい門出を心から応援しています。
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でもでも、やっぱり馴染んでいた名前がなくなってしまうのは侘しい・・・。
なんと言っても本当に良い会社だったので恩義もあります。(妻がデンマークの大学院留学をしていなかったら、今もきっと働いていたと思うぐらい良い会社です)
それに人を育てる社風が根強かったので、上司、先輩、後輩から色々なことを教えてもらいました。その中でも「仕事を上手に早く進めるコツ」ということに関しては特に重宝していて、なんとっ!現在働いているデンマークの会社でも非常に役立っています。日本の企業で学んだことなのですが、意外に国境を超えるんです !
そのひとつが、非常にお世話になった上司から教えてもらったこちらのアドバイス。
ホウ・レン・ソウよりも「ざっそう」の方がいい!
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ホウ・レン・ソウは、社会人になれば必ず学ぶビジネスキーワードのひとつ。
いわゆる報告・連絡・相談というやつで、社会人の基礎中の基礎と言っても過言ではないかも。
でも、このホウ・レン・ソウ、よーく考えるとちょっと変。
だって、報告と連絡の違いが良くわからない・・・。
本やマニュアルには、もっともらしい説明や補足がありますが、英語でまとめるといずれも「reporting」。あえて区別する意味が良く分からない。
それに、わざわざ報告・連絡をしに行くと堅苦しくて緊張しちゃう💦
しかも、どのくらい頻繁に報告・連絡すれば良いのか分からない😱
そこで登場するのが、
雑談しながら相談する「ざっそう」!!
実は、報告と連絡って、雑談の中に織り交ぜるのに相性が良いのです。
きっかけはなんでも良いのですが、当たり障りのない雑談をした後に「そういえば、例の件、今こうなってるんですよ〜」と切り出せば、それで報告・連絡完了!
コツは最後の「別途、時間取って報告した方がいいですか?」という相談の一言。
ここで「別にいらないよ」と言ってもらえれば、無駄な打ち合わせの未然防止に大成功✌️ (このケース、意外に多いです)
仮にもし、打ち合わせをすることになったとしても、「ここをもう少し詳しく聞きたい」など、打ち合わせの目的を言ってくれることが多く、ポイントを絞った効率的な打ち合わせの準備が可能です。
それに「ざっそう」の良い所は、双方向に情報をやりとりできること。
ホウレンソウと言うと、部下が上司に対して行うイメージがありますが、ざっそうは雑談なので、相手は誰でも良く、相手からの情報共有や相談を受けるという展開も醸しやすい方法です。
上司だけでなく、同僚や他の部署の人と「ざっそう」を続けていると、自然に情報が入ってくるので視野が広がります。雑談している間に新しいアイデアが生まれることもあります。
ちなみに「ざっそう」をよりフォーマルに行うと、最近流行りの 1 on 1 ミーティングになったりします。
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実際、現在働いているデンマークの会社では、ほとんどのコミュニケーションが「ざっそう」スタイルです。
簡単な情報共有や意思決定は雑談の中で完了しちゃうので、スピーディさを感じます。それに、雑談で話を進められるので会議の数が極端に少なくて済むというのも心地が良い。
逆に「ざっそう」スタイルで仕事を進められないとちょっと辛いところもあります。でも、慣れればこちらの方が効率的な気がします。
ちなみに、コロナの前はコーヒーを注ぐタイミング、デスクを通り過ぎるタイミングで雑談をしていました。コロナでリモートワークになっている現在、雑談の場はSlack (社内用チャット)になっています。
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さて、「ざっそう」をお勧めしたいのは、4月1日に入社する新社会人の皆さん。
きっとホウレンソウを学ぶと思いますが、ほうれん草は最後に食べられてしまう野菜。一方で雑草は自然の中で逞しく成長し続ける野草。末長く役に立つスキルを得るならぜひ「ざっそう」を試してみてください。