リスキリングを後押しするのは好奇心

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今勤めているデンマークの会社では、技術職の採用のサポートもしているのですが、先日上司のCTOと「選考の際に見ているポイント」についてディスカッションになりました。

ジョブ型雇用がスタンダードになっているデンマーク。

ジョブディスクリプション(職務記述書)で定義されているスキルや経歴にピタッと合わないとなかなか書類選考を突破できません。(特に僕の会社は、シニアな技術者を探しているので、ジョブディスクリプションに合致しているかのチェックがより厳しい感じです。)

デンマークでの仕事の探し方② デンマークは書類選考が最難関|ひぐち @ デンマークで仕事中🇩🇰|noteいよいよ明日(9月1日)から、ここオーフスにある会社での新会社員生活が始まるのでちょっとドキドキ。 例えるならば、初めてnote.com

とはいえ、必ずしスキルや経験だけを見ているわけではありません。それで冒頭のCTOとのディスカッションとなりました。

結果的に言うと、CTOと意気投合したのは

やっぱ重要なのは好奇心(curiosity)があるかどうかだよね!」という点

なぜかというと「好奇心」がある社員は、アウトプットの質が高いだけでなく、自分のスキルを自らアップデートしていく可能性がとても高いからです。

好奇心がもたらす向上効果

日本を含めて、異なるで国で働いてきた経験を踏まえて行き着いた僕の考えは、「好奇心」はキャリアを強くする基盤ではないかと言う点。

なぜかというと、好奇心は↓のように様々なビジネススキルを向上させる効果があるんじゃないかと考えているからです。

①物事や現象に対する好奇心が強ければ、何が起きているのか、どういう背景で起きたのか、これからどういうことが起きるのか、などの分析力が高まります

②知らないことに対する好奇心があれば、知りたいという知識欲求が高まり、学習力が向上します。

③人に対する好奇心が強ければ、相手がどう思っているか、何に困っているか、何を知りたいか、などの興味が湧いて共感力が高まります。(注:ここで言う興味というのは、彼氏・彼女がいるのかとか、週末に何しているのかという個人的なプライバシーに関する下世話な内容ではなく、相手の立場に立って物を考えられるかということです)

④困りごとの解決法に関して好奇心があれば、アイデアを発想したり、困りごとを解決する新しい仕組みや手法を調べる探索力・検証力が身に付きます。

最近、キーワードトレンドに挙がっている「リスキリング」、実は好奇心が原動力。好奇心があれば、ビジネスに必要な分析力、学習力、共感力、探索・検証力が自然に高まり新しいスキルを身にきやすくなります。

というよりも、好奇心がある程度ないとリスキリングは非常に難しいというのが僕の考えです。

そして、年齢を追えば追うほど好奇心は薄まりやすくなります。特に業務責任が増加して目の前の仕事に追われる日々が続いたり、家族のための時間が重要になってくると、ますます好奇心を保つのが難しくなっちゃうものです。

だからこそ、ベテランになればなるほど必要なものは「好奇心を維持・向上させること」だと考えています。そして、それが日経COMEMOさんの募集テーマに対する僕の答えです。

https://note.com/embed/notes/n4b15c5ce0dd6

スキルを学んで欲しいのはベテラン社員だけで良いのか

ちなみに、「好奇心の効果」については、数年前にビジネスハーバードレビューに掲載された「The Business Case for Curiosity」という論文がとてもおすすめ。(英語です)

The Business Case for CuriosityResearch shows that it leads to higher-performing, more-adapthbr.org

ぜひ原文の論文を読んでいただきたいと思いますが、この論文では好奇心があればあるほど↓の効果があると挙げています。

■間違った意思決定をしにくい
■イノベーションやポジティブな変化をもたらしやすい
■組織内の摩擦や敵対を回避しやすい
■コミュニケーションがオープンになりチームのパフォーマンスが高まりやすい

ただ、おうおうにして、組織のトップであるエグゼクティブほど、好奇心の重要性やコア社員の好奇心を高める工夫を怠っているというポイントも挙げています。

そういった意味では、真に必要なのはベテラン社員のリスキリングではなく、

ベテラン社員より上位の方々が、メンバーの好奇心の重要性を認識する意識変革かもしれませんね。

#日経COMEMO  #ベテラン社員に学んでほしいスキル

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