僕の「経営企画」という裏方の仕事
Facebookを眺めていたら、以前日本で勤めていた会社のニュースを発見。
どうやら主力オフィス製品ラインアップが「iF Design Award」というのを受賞したそう!
iF Design Award というのは、ドイツ・ハノーファーのデザイン振興団体が選定するデザイン賞。同じくドイツのRed Dot Design Awardや、アメリカのInternational Design Excellence Award (IDEA)と並び、世界三大デザイン賞の一つ。
しかもiF Design Award のプロダクト紹介ページに記されているデザイナーの1人は僕の同期。めっちゃ嬉しい〜!
受賞理由を見てみると「a clean silhouette and innovative design」とか「its versatility and innovative … UI」などと書いてあるので、従来のありきたりな製品デザインを革新的に刷新できた点が評価されたよう。
ウシシ、それはそうだろ😁
だって、この商品デザインを根本的に刷新するためのプロジェクトを立ち上げたのは僕だもん🤭
当時僕は、この会社で経営企画的な仕事に携わってました。
大人の事情で詳細はあまり書けないけれど、その時に衝撃的な事が起き、商品ラインアップ全てのデザインを完全に作り直す!ということになりました。
完成は1年以内に、かつ極秘裏に進めるように
それが社長(当時)からの直接の指示。
他社には絶対に知られてはいけないし、社内でも情報が漏れちゃいけない。
一応、売上一兆円を超えるメーカー企業なので、開発部隊だけでも数千人規模、販売や生産拠点も含めると3万人以上の従業員がいました。
その中で極秘裏に進めるって、実はものすごくムズカシイ💦
デザイナーさんたちをこっそり別会社に出向させたり、誰も知らない場所にオフィスを作ったり、足がつかないように予算を確保したり・・・
それにデザイナーさん達が新しい商品コンセプトを検討している裏では、次のフェーズへの準備もこっそり進めないといけません。商品デザインを変えるとなると、開発部隊が新デザインの製品を実際に作らないといけないし、工場の生産計画の見積もりもしておかないと、社外発表に間に合いません。
神経を使いながら、綱渡りのような日々を送ったのですが、商品デザイナーの皆さんの頑張りで、従来商品とは一線を画する商品コンセプトが無事完成。
よし!このまま一気に商品開発へと踏み切る。
社内に対して情報をオープンにする!
社長や経営陣がそう判断をした時、極秘プロジェクトは全社的なプロジェクトへと急加速。
そして2021年、会社名の変更とともに、新商品ラインアップ公開がされたのです。
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ちなみに、奥さんのオーフス大学院留学についていくことを決めていた僕は、全社プロジェクトへと進める段取りに目処を立て、後任者にしっかりと引き継ぎをした段階で退職。
おそらく、僕が極秘プロジェクトの立ち上げに携わったことは会社内であまり知られてないと思います。
それは途中で退職したからではなく、僕が担っていた経営企画という仕事は「裏方」の仕事だから。
経営企画の仕事の一つは、会社の戦略や長期的な方向性を定めること。その影響力は大きく、会社全体を大きく動かせるので、やりがいがあります。
でも実際にモノを作り、お客さまへ販売するのは現場の社員。
僕たち経営企画は、表舞台を用意する裏方の仕事。
あくまでも表舞台に立つのは、手を動かすデザイナーであり、技術や商品を作り上げる開発者であり、お客様へと販売する営業なのです。
そういう意味では、経営企画のスタッフは、iF Design賞をもらえるわけではないですし、商品導入の打ち上げに呼ばれるわけでもないですし、売上目標達成のボーナスも貰えません。
舞台で目立つのではなく「檜舞台を作る」
それが僕の考える経営企画という仕事なのかもしれないなぁ。
そんな風に思いながら、iF Design賞に名を連ねた同期、そしてあの大変だった日々を頑張った僕と僕のチームメンバーに乾杯〜🍻と思った夜でした。
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この極秘プロジェクトで学んだ知見は、僕が担当しているグロービスの授業の中で、経営戦略やプロジェクトマネジメントの体験談として紹介しています。興味ある人は僕の授業を受けてみてくださいね(笑)