デンマークの「在留許可証」に描かれた雄牛のデザイン
僕は現在、留学生の妻に帯同しているので、“Accompanying Spouse” というパートナーステータスでResidence Permit (在留許可証)をもらっています。
手続き的には、日本でビザ申請し※、デンマークに来てからCPRというマイナンバーを登録すると、社会保険証のYellow Cardと別にPink CardというIDが届きます。このPink Cardが、正式な在留許可証 兼 身分証明書で、EU域外からの外国人居住者は必ず持ち歩くことが義務付けられています。
※注) 厳密にいうと、デンマークでは入国に必要なビザと滞在に必要な在留許可証は別という考え方です。ここではビザ申請と記載していますが、日本人は入国のためのビザが免除されているので、正確にはResidence Permit申請です。
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外国人が持っているIDなので、デンマーク人にとっては馴染みが全然ありません。先日、デンマーク人にPink Cardを見せたら「へー、初めて見たよ!」と興味津々。すると「あれ?なんで雄牛(bull)のロゴがあるの?」と聞いてきました。
ん?確かに左側に牛のデザインが施されているけど、どういうこと?と聞いてみると、
「デンマークって雄牛のイメージはないと思うなぁ。豚なら分かるけど、なんかピンとこない。どうして雄牛がデザインされているのかしら・・・」とデンマーク人のCちゃんは納得していないご様子。
確かに、デンマークは養豚王国なので、デザインとして採用するなら牛よりも豚の方がしっくりきます。でも、「デンマークのIDだからなぁ、日本人の僕には分からないよ〜」と返すと「そうだよね〜、あはは」と笑い、その場は別の話になりました。
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しかし、この「雄牛」にはちゃんと理由がありました!Cちゃんの疑問がちょっと気になったので後日「雄牛の謎」について調べてみたのです。
するとっ!
このPink Cardはデンマークだけでなく、
EU加盟国で共通デザインという事実を発見!!
EU域外の外国人に発行されるResidence Permitのデザインは基本的に同じデザインのカードです。
例えば↓がスペインが発行するResidence Permitのカード (欧州委員会公式ウェブサイトより)。僕が持っているデンマークのResidence Permitと同じデザインですが、言語がスペイン語、ID右側の国章がスペイン国章になっています。
その他のEU加盟国のデザインもGoogle先生で調べてみると、ほとんどのResidence Permitの左上に雄牛のデザインが施されています。
つまり、冒頭のCちゃんの疑問の答えは、「雄牛のデザインはEU共通デザインだった」というとてもシンプルな理由だったようです。
実は『なぜ「雄牛」がEU共通のデザインに用いられているのか?』も調べたのですが、記事が長くなるのでまた今度記事にしますね!実はヨーロッパと雄牛はとても深〜い関係があったのでお楽しみに (^_’)
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さて、デンマークの移民局の方がResidence Permit を Pink Card と呼んでいたので、ここまでPink Cardと書いてきましたが、他の国では真ん中の青色を指してBlue Cardと呼ぶこともあるそうです。(EU共通で使える健康保険証もBlue Cardと呼ぶのでさらにややこしい・・・)
ちょっと混乱するので、デザインを一色に統一するか、色以外の名称にして欲しいなぁ・・・(苦笑)
2023年3月注記
EUのResidence Permit はデザインが刷新されました。詳細は👇を見てね
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