デンマークは、実は離婚大国

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先日、会社の同僚から「婚約しました!」とハッピーなニュースがありました。

デンマークでは、婚約や妊娠などのおめでたい報告の際には、ケーキを職場に持って行くのが習慣なので、「She said Yes! (デ: Hun sagde også Ja)」と書かれたあま〜いケーキをいただきました☺️

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一方、2020年はロックダウンの影響で、世界中で離婚が増えているというBBCの記事を発見。

ロックダウンで「離婚ブーム」到来か、離婚関連の検索が増加=英団体 – BBCニュース新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)の影響で人間関係に「とてつもないひずみ」が生じていると、市民に助言を行うイギwww.bbc.com

日本でも離婚件数が増えたそうなので、デンマークはどうなのかなぁと思って調べることにしました。

こういう時に便利なのが、Statistica Denmark(デンマーク統計局)のウェブサイト。デジタル化が進んでいるデンマークでは、デンマーク統計局で様々なデータが簡単に入手できます。

2020年の離婚件数データで入手できる上半期分(1-6月)を使い、2020年の実績と2015-19年の平均を比較すると・・・

確かにロックダウン中だった3月の離婚件数がドーンと増えている!!

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ただ、3月以外の月は、増えたり・減ったり。前出のBBCの記事ほど「ブーム」という感じには見えません。(6月に増えているのがちょっと気になりますが)

実はこの平均統計、重要な点が抜けていてミスリーディングです。

過去のトレンドと比較するため、2015-2019年の離婚件数を平均しているのですが、昨年の2019年は離婚件数がぐっと減った年。その事実が隠れちゃってるのです。

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デンマークは幸せの国ナンバーワンで有名ですが、実は離婚率が最高で54%(2014年実績)を記録したことがあるほどの離婚大国。世界ランキングではトップ5に入るぐらい

注:この離婚率は、毎年の結婚件数に対してどのくらい離婚件数があったかという数字なので、2組に1つのカップルが離婚しているというわけではありません。単純に、結婚件数に対して、どのくらい離婚件数が多いか?という相対指標です。(日本はおおよそ30%ぐらいと言われています)

その理由の1つとして、離婚手続きがオンラインで簡単にできるということが挙げられていました。以前は、デジタルデンマークなので、行政ホームページでクリックするだけで簡単に離婚手続きができたのです。

そんな高い離婚率を受け、政府も簡単に離婚できるのは良くないと思ったようです。2019年から離婚の手続きが変わり、子供がいる場合の離婚では3ヶ月間の待機期間が設けられるようになりました。

この待機期間中には「離婚前講座」というオンラインの講座受講が義務付けられ、専門家のカウンセリングを受けたり、離婚に対して考え直す機会を促しているそうです。

この政策が功を奏したようで、2019年の離婚件数はなんと2016年に対して約半減(47%減)。さらに離婚率は35%と過去20年で最小に!!

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ところが2020年は、ロックダウンの影響で2017-18年レベルに戻ってしまいました😅 

一見するとせっかくの政策が無に帰したよう・・・。でも、2019年の制度変更を行っていなかったら、もっともっと件数が増えちゃってたかもしれません。

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2020年の年間データが発表されるのは来年の2月12日。夏以降の離婚件数が増えてるのか、減ってるのか、結果が楽しみです。

個人的には、ロックダウンという大変な時期を一緒に乗り越えたら、逆に絆が強くなって、離婚しにくくなるんじゃないかなぁと思ったりしています。そうすると2021年以降は離婚が減る気がしています。まぁ、それを検証できるのは2022年の2月になっちゃうけどね。

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