高校卒業を祝う伝統行事「卒業トラック・パーティ」
最近、クラクションを鳴らす車が通り過ぎて行ったり、「ワ〜!!」と若者の歓声が聞こえたり、オーフス市内がとても賑やか。
そして街中を歩いていると、白くて可愛らしい学生帽をかぶっている若者をかなり多く見かけるようになりました。見出し画像のように街中を歩いていたり、バーやパブで飲んでいたり、とても楽しそうな雰囲気。
6月から一気に気温が上がって夏になったから浮かれているのかな?と思ったら、ちゃんと意味がありました。
実は、白い学生帽をかぶっている男女は、高校 (デ: gymnasium) を卒業したばかりの若者達!!
高校の卒業試験が終わったら、卒業を意味する白い学生帽をつけて、みんなでパーティに繰り出すというのが、デンマークの6月の恒例行事になっているとのこと。だから騒がしいのか?!
白い学生帽は高校卒業の証
この白い学生帽は、学校によって色や細かなデザインが違うそうです。例えば、赤色は普通高校、ロイヤルブルーは商業高校、マリンブルーは工業高校、となっています。
学生帽の写真出典:
Af G®iffen at the Danish language Wikipedia, CC BY-SA 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=6681328
最近は、日本で学生帽を見かけることが少なくなりましたが、日本と違って卒業したらかぶるというのが慣習。そのため、卒業試験の前に学生帽をかぶるのは「Bad Luck」になっちゃうらしい。
時代によって流行が違うみたいですが、帽子の裏には卒業試験の点数を書いたり、友達の一言メッセージを書いたり、みんな思い思いに帽子の中に記録を残すそうです。
そして、卒業試験が終わると、この帽子をかぶって連日のパーティ!!高校でお酒を飲んでいいのか?と思うかもしれませんが、デンマークでは年齢による飲酒制限はありません(正確に言うと18歳までは親の同意があればOK。また、ビール・ワインを購入できるのは16歳から、それ以外のアルコールは18歳から購入可)
中には、クラスの中で、最も帽子のサイズが大きい人と最も小さい人が、クラス全員にビールを振る舞う?!という取り決めもあるみたいです。
トラックに乗って飲み歩く
そして、街中で見かけるのが、白い学生帽をかぶった若者達を載せたカラフルなトラック(デ: studenterkørsel)。
よーく見ると、トラックに乗っている若者達は片手にビールを持って、かなりはしゃいでいます。
実はこれ、卒業生達が同級生の家を一つひとつ訪ね、そこで食べ物や飲み物を振る舞われる、という1日がかりの飲みイベント! 12時間から14時間飲み続けることもあるらしい・・・。
そして、対向車や通りすがりの車は、「おめでとう!」の意を込めて、クラクションを鳴らすのでとても騒々しい 笑。僕も写真を撮りつつ、ガッツポーズで手を振ってあげたら、喜んでくれました😄
今年はコロナの影響で禁止か?!と言われていましたが、フレデリクセン首相が「studenterkørselはデンマークにとって大事な行事であり、ロックダウンで感染拡大が抑えられていることを踏まえて禁止しない」とプレス発表でアナウンスしたことで、解禁になりました。(注: 感染リスクを抑えるためのガイドラインがだされています)
パーティは夜遅くまで続きます
ちなみに深夜12時を過ぎても、学生帽をかぶった若者達を多く見かけます 笑。
もちろん、連日のパーティなので、ハメを外す若者も多いそうです。友達曰く、オーフスでは、市庁舎近くにある噴水に裸で飛び込むというのが流行りだそう。
でも、この6月のお祝い騒ぎは「伝統」なので社会的にはとてもおおらか。さすが、お酒に寛容な国デンマーク・・・。
さて、僕も、若者達の素晴らしい将来にビールで乾杯といきますか 🍻
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