実は、「北欧 ≠ スカンジナビア」の話

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オーフスに来てから携わっているファッション系ソーシャル・スタートアップ「The Clothing Club」を立ち上げたのは、“世界で最も刺激的なビジネスデザインスクール”と称されているKAOSPILOTの卒業生。

スウェーデン人の彼女は、寒くて暗い冬がちょっと嫌でデンマークに来たそうだ。(デンマークも寒くて暗いと思うのだけど、彼女いわくデンマークの方がもっと陽が出ていて暖かいらしい・・・)

そんな彼女と北欧デザインについて雑談をしていた時、話の流れで「ムーミンも北欧で生まれたデザインだよね!」という意味で “Moomin is also a design created in Scandinavia, isn’t it?” と言ってみた。

(閑話休題)
何を隠そう僕はムーミン・シリーズ(原作の小説)がとても好きです。
ちなみにアニメ版は1990年に放映された「楽しいムーミン一家」が一番好き。
デンマークに住んでいる間にフィンランドのムーミン谷に行きたいです。

すると、ニヤっと笑いながら・・・・

「そうだね。でも、フィンランドはスカンジナビアじゃないんだよね〜」と意味深な答え。

「えっ?フィンランドも北欧でしょ?」と聞き返すと、

「Nordic ではあるけど、Scandinavia じゃないんだよっ〜」とのこと。

なんと、北欧(Nordic) と スカンジナビア(Scandinavia) は違うものらしい!!

***

厳密な定義で言うと、スカンジナビアは次の3カ国を指すため、フィンランドは入ってきません。
・🇸🇪 スウェーデン
・🇳🇴 ノルウェー
・🇩🇰 デンマーク

例えば、スカンジナビア航空(通称 SAS)は、この3カ国が共同出資している航空会社ですが、フィンランドでは別途フィンランド航空がナショナル・フラッグキャリアとして運航しています。

一方で、北欧(Nordic)はスカンジナビア3カ国に加えて、下の国が加わるそうです。
・🇫🇮 フィンランド
・🇮🇸 アイスランド
・バルト三国(🇪🇪 エストニア、🇱🇻 ラトヴィア、🇱🇹リトアニア)

***

歴史的な背景で言うと、フィンランドは第2次世界大戦後にソ連の影響下にあったこともあり、いわゆる「生粋な西側」のスウェーデン・ノルウェー・デンマークからはちょっと距離が置かれています。

また、言語体系も完全に異なるところにもちょっとした壁があるようです。

スウェーデンのMinna Sundbergさんという漫画家アーティストが描いた↓の言語体系図がとても分かりやすいのですが、ドイツ系の流れを汲むデンマーク語・スウェーデン語・ノルウェー語に対して、フィンランド語は根本的に異なるウラル語から派生しています。

画像1

出典:Stand Still. Stay Silent(http://www.sssscomic.com/comic.php?page=196

ふーむ、だからデンマーク語学校で一緒だったドイツ人はとても早く上達するのに、フィンランド人のクラスメイトは苦労していたのか・・・。(フィランド人以上に苦労しているのは日本人の僕です)

***

ソ連影響下でも資本主義だったフィンランドは、ソ連崩壊後にEUに加盟し、かなり西側化していますが、スカンジナビア諸国からすると「フィンランドはちょっと違うなぁ〜」という感覚のようです。

これは住んでみないと分からない微妙な感覚。面白いなぁ。

以上、北欧(Nordic) と スカンジナビア(Scandinavia) は違うよ!というお話でした。

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