欧州で飛行機のキャンセル・遅延があった時(知らないと損?EU261法)
先日、コペンハーゲン空港でセキュリティチェックの職員が突然ストライキを起こしたため、多くの乗客が飛行機に乗り遅れる!!というニュースがありました(記事執筆時)。
その際、EU加盟国での飛行機のキャンセル・遅延に関して乗客の権利を保障するEU261法、通称「Air passenger rights」というものがあるという特集ニュースを見たので、備忘録的にnoteにまとめてみました〜。
欧州では、フライトがキャンセル・遅延した場合、別のフライトへの変更や返金を要求する権利に加えて、食事・宿泊の提供や現金で補償金をもらえる可能性があります!
LCCにも適用されるので、欧州で旅行する際には事前に目を通しておくと良いかもです♪
目次
EU261法Air passenger rightsが適用されるケース
最も重要なのは「当初のフライト時間の45分前までに空港でチェックインを済ませている」事なので、当日は何があっても空港には行きましょう※1
さらに、EU261法は下記フライトに適用されます。
– EU域内の全フライト (すべての航空会社に適用)
– EU域外からEUに到着するフライト (EUの航空会社のみ適用)
– EUからEU域外に行くフライト(すべての航空会社に適用)
ここで指すEUは、EU加盟国およびアイスランド、ノルウェー、スイス、イギリスです。(※ イギリスは2021年1月1日までに予約したフライトでないとEU加盟国として扱われません)
JALやANAであっても、EU域内のフライトやEUを出発する帰国便にも適用されますよ!
※1. フライト日よりも前に航空会社からキャンセル連絡があり、EU261法が適用される旨が記載されている場合は当日空港にいく必要はありません。
フライトがキャンセルになった場合
繰り返しですが、「当初のフライト時間の45分前までに空港でチェックインを済ませている」事が重要です(フライト当日までキャンセル連絡がなかった場合)。
フライトがキャンセルになった場合は、必ず下記のいずれかを選択することができます。
– 可能な限り早いタイミングで、最終目的地までの代替フライトへの変更
– 希望する別日時で、最終目的地までの代替フライトへの変更
– チケットの返金、および出発地点まで戻るためのフライト
また、代替フライトが別の日になった場合は、補償金に加えて、フライト日までの宿泊費と食事代、そして宿泊場所への交通費は航空会社が負担してくれます。
さらに、上記に加えて補償金(Compensation)をもらえる可能性があります。
もらえる補償金は、250、400、または650ユーロで、飛行距離によって決まります。
250ユーロ:1,500km 以内
400ユーロ:1,500km超え(EU域内) 又は 1,500〜3,500km以内(EU域外)
600ユーロ:3,500km超え
フライトが大幅な遅延になった場合
何度も繰り返しますが、「当初のフライト時間の45分前までに空港でチェックインを済ませている」事が重要です。
遅延した場合、航空会社から食事、宿泊、補償金をもらえる可能性があります。
■出発時間が遅れた場合の食事
下記のいずれかのケースで出発時間が遅延した場合、航空会社から食事を提供してもらえます。(遅れの基準は出発時間です)
– 1,500km 以内のフライトで、2時間以上の遅延
– 1,500km超え(EU域内) 又は 1,500〜3,500km以内(EU域外)のフライトで3時間以上の遅延
– 3,500km超えのフライトで4時間以上の遅延
航空会社が直接食事を提供しない場合、自分で食事を購入し、レシートをもって実費を請求することが可能です。
■遅延によってフライトが次の日になる場合の宿泊と食費
遅延によってフライトが次の日になる場合、宿泊費、食事代、そして宿泊場所への交通費は航空会社が負担してくれます。
■到着時間が大幅に遅れた場合の補償金
到着時間が3時間以上遅れた場合、フライトがキャンセルされた場合と同じように補償金がもらえる可能性があります。(遅れの基準は到着時間です)
■返金
出発時間が5時間以上遅れた場合、フライトをキャンセルして返金を要求することが可能です。
補償金が適用されないケース
フライトがキャンセルされた場合やフライトの到着が3時間以上遅れた場合の補償金ですが、状況によっては適用されない場合があります。
例えば、日本からEUへと向かうANAやJAL便が直前にキャンセルされた場合。EUを出発する便ではないのでEU261法が適用されず補償金はもらえません。
また、フライト日の14日前以上に航空会社からキャンセル連絡があった場合や、自然災害・テロなどの特別な理由でキャンセルとなった場合なども補償金はもらえません。
ストライキのケースは若干ややこしく、航空会社が直接雇用しているパイロットや会社員がストライキした場合は適用される一方で、空港で働いているスタッフ、入国審査・税関担当者やセキュリティスタッフによるストライキの場合は航空会社の責任ではないので補償金はもらえません。
なお補償金以外の条件(代替フライトへの変更や食事の提供など)は常に適用されます。
EU261法が適用される場合、航空会社は必ず「EU261法が適用される旨を伝える義務」が生じるそうなので、航空会社からのメールやSMSにEU261という単語が表記されているかどうか、また補償金(Compensation)がもらえるかどうか必ずチェックしましょう。
EUってやっぱり便利
EU261法Air passenger rightsのように共通のルールで様々な国に旅行できるってとても便利です。
BrexitでイギリスはEUから離脱してしまいましたが、まだEUには27カ国が加盟しています。
EUという枠組みで、長い時間をかけて作り上げたこの共通ルール、本当に便利なので残りの加盟国で大事に守って欲しいですね!
なお、欧州連合の公式ウェブサイトでEU261法の原文やQ&Aが分かりやすく纏まってます。英語ですが詳細はそちらをご確認ください〜。
Air passenger rights - Your Europe
Travellers' rights - flight delays, cancellations and overbooking (passengers unable to fly on flight they booked)
ピンバック: フライトがキャンセルされたらラッキー! (欧州のEU261法) - Living in Denmark