デンマークの銀行に現金を預けたい時
日本はキャッシュレス還元に続いて、マイナポイント還元でキャッシュレス化を進めようとしていますが、デンマークはすでにかなりのキャッシュレス先進国。
タッチ式のICクレジットカード・デビットカードか、スマホで決済できるmobilepayがあれば、現金がなくてもまったく困りません。(唯一困るのは、現金しか受け付けてくれない日本の大使館での支払いだけ・・・)
そもそも、家賃や給料の現金支払いは法律違反ですし、一定金額を超えるお金のやり取りでも現金取引は禁止されています。小売店や飲食店の中では現金支払いを受け付けないお店もあります。
そして、極め付けが銀行。
デンマークの銀行の入り口にはほぼ必ず↓の表示が・・・
No cash in this bank
(現金は置いていません)
そうなんです、デンマークの銀行には現金がないんです。
デンマークの銀行は住宅・事業ローンの契約をしたり、資産管理を相談する場所であって、お金を引き出したり、預けたりするところではありません。
お金の引き出しとか支払い手続きとかどうするの? と思うかもしれませんが、Q&A形式でお答えすると、↓のような感じなんです。
Q: お金を引き出したいのですが?
A: 窓口では対応してないから、銀行の外にあるATMを使ってね〜。デビッドカードを使えばスーパーのレジでも現金を引き出せるよ!(EFTPOSという仕組みです)
Q: お金の振り込みとか支払いをしたのですが?
A: 振り込みは mobilepay (スマホを使った電子送金)を使った方が早いし楽だよ。 請求書の支払いも全部オンラインで処理するから、スマホかパソコンでやってね。CPRとNemID (デンマーク版マイナンバー)でログインできるから、わざわざ店舗に来ないでね。
Q: お金の預け入れは?
A: えっ? そもそも預け入れしないといけない程の現金をもっていることが珍しいのだけど? もしかして、麻薬販売とか脱税とか、悪いことしてたり・・・
という感じで、銀行では現金を扱う業務はほとんどしてくれません。
そのため、デンマークの銀行ではお客さんの姿や、日本で一般的な窓口カウンターや案内係を見かけません。そういえば、警備員もいない気がするなぁ。
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それでも、僕のように日本から現金を持ってきたなど、どうしてもお金の預け入れをしないといけない場合は、銀行で手続きをしてくれます。(銀行・店舗によっては予約が必要なので、事前に確認しておいた方がいいかも)
まず、口座番号を聞かれるので伝えると、「現金がどこからきたのか?」と確認が入りました。脱税やマネーローンダリング対策だと思いますが、さほどな大金ではないので「My personal savings from Japan (日本で貯めたお金)」と正直に回答したら、OKでした。
そして、金額を確認後、現金を透明な袋に入れた後に、僕と銀行の人がそれぞれサインし、シールで封印。
そのまま、袋ごと預かってくれるのかな?と思ったら、何やらポストイットに何かの番号を書いて、現金袋と一緒に、ぽいっと渡してくれました。え?この現金袋をどうするの?
「外に行って、右の方にいくとポストがあるから、この現金袋を投函してね。ポストの蓋を開ける暗証番号はポストイットに書いとから。」
えー、外のポストに投函?!
しかもポストイットに暗証番号って良いの?😅
言われるがままに、銀行から出て右の方に行くと、ATMの横に金庫みたいなポストがありました。(いわゆる、夜間金庫というものです)
ポストイットに書いてある暗証番号を入れると、パカっと蓋があいたので、現金袋をセット。
蓋を閉じると、かなり重い機械音がして何かが動いている・・・。一応、ポストイットの暗証番号を再度入力して、中を確認したら無事に空っぽになってました(ほっ)。
僕が現金袋をちゃんと投函したことを確認するのに1,2営業日くらいは要するかな?と思ったのですが、数時間後に口座を確認してみたら、ちゃんと残高が増えてました。意外に早い!
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それにしても、店舗内に現金を置かないように徹底していることがとっても新鮮。デンマークの銀行店舗には、本当に現金を置いてなさそうです。
さすが、キャッシュレスなデジタル・デンマークですが、このぐらいキャッシュレス社会になると、銀行の窓口業務はほとんど不要になってしまうという事実を目の当たりにした気がします。
そういえば、日本のメガバンクが次々と銀行員の人数を減らそうとしているというニュースが日経新聞のヘッドラインを飾っていました。キャッシュレス化が進むと、リテール店舗の銀行員にとってはさらに厳しい時代になっていくのかも・・・。
ピンバック: キャッシュレスでも、絶対携帯しないといけないカード – Living in Denmark