17世紀に始まった歴史🇩🇰のある風習 – 大晦日の打ち上げ花火
日本の年越しといえば、除夜の鐘。
初詣に行かずとも、NHKの「ゆく年くる年」で鐘の音を聞けば、厳かな雰囲気に浸れるのがじーんと来ちゃいます。
一方、デンマークではいたるところで花火が打ち上がります。四方八方から打ち上がる花火の激しい轟音はまるで砲弾のよう >_<
👇は2021年に撮影した様子の動画なのですが、花火を打ち上げているのは普通の人たち、一般ピープルです。
年末年始の6日間だけ許される打ち上げ花火
実はデンマークでの花火の扱いはとても厳しく、花火を購入したり、花火で遊んだりすることは禁止されています。違反すると最悪10〜60日の禁固刑になっちゃうかもしれないので、花火は重犯罪なのです。
でも、12月27日から翌年1月1日までの6日間だけ、特別に花火を打ち上げることが許されています。
この時は、みんなここぞとばかりに花火を打ち上げるので、大晦日の深夜、ちょうど年越しの瞬間からは、花火で国中が大騒ぎ!
こっちでドドどーん! あっちでバーン! 目の前でドッカーン!!!
数時間にわたって続く花火の撃ち合いは激しさ全開で、厳かさはゼロです😅
ちなみに、この花火は17世紀に始まった歴史のある風習です。1658年から1660年の長い期間、コペンハーゲンはスウェーデン軍の猛攻で包囲されていたそうです。その際、「負けないぞ!」という意思を表すために、元旦にコペンハーゲンの城壁から大砲を撃ち、それに応える形で市内に立て篭もった兵士と住民が銃を空に撃った、という史実が起源らしい。
戦争中に奮い立たせることが目的だったので、厳かというよりも勢いが重要だったのでしょう。
気になる花火の価格
さて、打ち上げが許されているのは12月27日から翌年1月1日までの6日間ですが、花火を購入できるのはもう少し早い期間の12月15日から12月31日まで。
この2週間だけは、スーパーでも花火を購入することができちゃいます。
👇は、ロケット花火3本を手渡しているFøtexスーパーの店員さん。
このロケット花火、かなりけたたましい音で結構高く打ち上がります。気になる価格は1本150クローネ(約3000円)なので、3本ご購入で1万円弱。
👇はALDIというドイツ系スーパーで見かけた特設売り場。
さまざまな種類の花火がありますが、特筆するのは一番下に置いてある箱型花火「Magnhild」という949クローネ(約18,000円)の代物。
この箱に入っている花火は・・・、
140発!!!
140発ですよ?! 点火したら、バババババババババー!!!!!と、140発もの花火が打ち上げられていく化け物のような花火です。
さらにすごいものになると1500クローネや2000クローネにもなり、日本円で4万円弱。
デンマークの花火業界団体によると、大晦日には約1億発の花火が打ち上がるそうなので、単純計算でも数百億円規模の花火が年越しで点火されているのだと思います。。。
花火は伝統?それとも危険?
年越しの打ち上げ花火はデンマークの伝統なのですが、一方で危険な側面も。
以前👇のnoteで紹介したように、毎年、年越し花火で怪我をする人が100〜200人程度います。
その中でも重症者が数十人ほどおり、特に問題になっているのは、失明してしまう子供達。
とある世論調査によると、花火を規制した方が良いという声も少なからずあるそうです。
伝統か、規制か、なかなか難しい問題ですが、個人的には除夜の鐘のような「厳かな年越し」の方がいいのになぁ。。。