刷り込まれた “ネイティブ英語信仰” の罠

つぶやく シェアする

先日、妻が期末試験3つ目のレポートを提出して、残す所、口頭試験(Oral Exam) 1つとなりました!

今回のレポートは、ケース事例を自分で見つけて、授業で学んだ理論を使いながら、客観的な分析(Critical Analysis)をするという内容。

奥さんは、日本で法人クライアント向けに英語でのビジネス・コミュニケーションのコンサル兼コーチをしていました。その経験を踏まえて、奥さんが選んだのは、「日本では、英語を学ぶ人が多いのにも関わらず、英語能力指数の世界ランキングが年々落ち込んでいるという謎現象」を社会学的・文化学的な側面で分析すること。

【補足です】
日本の語学ビジネス市場の規模は、なんと5,332億円 (出典: 矢野経済研究所)!! あくまでも僕の推定ですが、500万人以上がお金を払って英語を学んでいると思われます。ところが、EF Education First という企業が行っている英語能力指数でいうと、日本は9年連続でランキングを落として、2019年は100カ国中53位・・・😭

なかなか難しいトピックを選んでしまった・・・・と、かなり苦労していましたが、なんとか提出まで漕ぎ着けたようです。

***

レポートのドラフトを読んだ際に、僕が気になったのは、

「(特に米国・英国の)ネイティブスピーカーの英語が絶対的に正しい&ネイティブスピーカーなら誰でも先生になれる」というネイティブ信仰の考え方。

この考えが強いと、インドのように独自の英語を作り上げたり、カタコト英語でも通じれば良いじゃない?という考えに発展しないのではないかという考察が挙げられていました。

困ったことに、このネイティブ信仰は気づかないうちの刷り込みが多いらしい。

例えばですが、「ネイティブならこう喋る!」とか「ネイティブならそう言わない」みたいなタイトルの英語参考書を見かけたり。 また「うちはたくさんのネイティブ講師がいます」と謳うような英会話スクールの広告があったり。

もちろん、ネイティブから学ぶことは否定しませんが、こういった本や広告の売り込みが「ネイティブレベルの英語じゃないと間違ってしまっている」という刷り込みにつながっているのかもしれません。

個人的には、ネイティブレベル(≒ 英語のExpert)を目指す風潮だと、いつまでもコミュニケーションツールとして英語を使えるUserが増えないんじゃないかと思ったりした奥さんの課題でした。

***

ちなみに、12,000文字のレポートを僕がザックリとまとめると・・・、

① ネイティブスピーカーの英語が絶対的に正しいと思ってしまっている
② 間違うことは恥ずかしい&完璧を目指すべき!と思いがちな日本の文化的な傾向がある
③ 不幸にも①と②が重なってしまい、それなりに英語でコミュニケーションができるのに、できないと思い込みがち
④ できないと思うので、英語の実戦練習が及び腰になって上達しない

ということらしい。(※ 実際のレポートは、裏が取れているデータや理論を引用しながらちゃんと書いてありました)

最後の口頭試験、がんばれ〜。

つぶやく シェアする

\新着記事や🇩🇰の日常をツイートします/