「オンライン手続きできない!」日本のマイナンバーカード
今日の日経新聞で「マイナンバーカード」が便利になるというニュースを発見♪
対応病院への補助倍増 マイナンバーカードを保険証に - 日本経済新聞
厚生労働省はマイナンバーカードを健康保険証として使える医療機関を増やすため、導入に必要なシステム改修を行う病院への補助金を倍増させる。2021年3月までにすべての医療機関の6割程度で導入をめざすが、申し込みが1割台にとどまっている。患者が自分の診療データを医師と共有するなど医療のデジタル化にもなるため追加支援する。【関連記事】保険証、発行停止でマイナカードと一体に 自民が提言マイナンバーカード広がる用途 できることを整理した運転免許証とマイナカード統合へ ネットで住所変更可に政府は2021年3月末からマイナンバーカードを健康保険証として本格的に利用できるようにする。病院や診療所、調剤薬局で顔認証付きの
デジタル先進国デンマークでは、自宅にいながら様々な手続きをオンラインで完結できるのでとっても楽ちん。なので、日本のマイナンバーカードが「使えるカード」になっていくニュースを見つけるととてもワクワクします。
でも・・・、一方でモヤモヤする心配事が1つ。
あまり話題に出てこないのですが、日本のマイナンバーカードが広がると、ある基本中の基本手続きが、逆に面倒になってしまうという問題が。。。💦
それは引越しの手続き。
引越しをしたら、引越し元の市区町村にて転出届を提出して、引越し先の市区町村で転入届を提出するというのが当たり前。
従来なら、世帯の誰か1人が家族全員を代表して、市区町村の役所に赴き、申請書類を提出するという形式でした。
マイナンバー化が進めば、自宅にいながら簡単にオンラインで手続きできる!!
そう思ったら大間違い。
逆に、マイナンバーカード化によって最悪ケースで「家族全員」が役所に行かないといけなくなるという衝撃の事実があるのです。
えっ?!オンラインでなんでもできるようにするためにマイナンバーカードを推奨してるんじゃないの?
そう思いますよね。ところが現実は小説よりも不思議なことが起きるのです。
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もう少し詳しく説明します。
もちろん、マイナンバーカードが普及すれば、ほとんどの転入・転出手続きをオンラインで処理できるようになるはずです。
でも残念ながら、マイナンバーカードを導入したことによって、オンラインで処理できない手続きが生まれてしまいました。
なぜかというと、住所が変わったことにより、マイナンバーカードに埋め込まれているICチップの情報を書き換えないといけないからです。ところが、このICチップの書き換え作業は市区町村の役所でないと実施できません。
しかもっ、ICチップの書き換え作業申請は原則本人が役所に行かないと手続きができないという法令縛り付き。
論より証拠で、東京都大田区のホームページの抜粋がこちら👇
ちょっと分かりにくいですが大田区の説明内容のポイントは、
・住所変更時はマイナンバーカード内の署名用電子証明書が失効する
・署名用電子証明書を書き換えるための手続きは本人のみ可能
という2点で、引越しして住所が変わったら本人が市役所に行かないといけないとマイナンバーカードを継続使用できなくなる可能性があるということです。
もう少し詳しい詳細(なぜマイナンバーカードの書き換えが必要なのか?)は、長くなっちゃうので明日説明しようと思います。
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一応、代理人申請手続きを行えば、代理人が変わりに手続きできるのですが、代理人申請手続きはさらにステップが増えるし時間がさらにかかります。
これは実際に僕が引越をした時の実体験ですが、手順は👇の通りでした。
① まず、転入届を出す役所に行き、マイナンバーカードの書き換え手続きのための代理人申請手続き申請をします。(申請のための申請!! しかも、電話はNGで役所に行かないと申請を受け付けてもらえない!!)
② すると2、3日で代理人申請書が郵送で届くので、本人に記載・押印してもらいます。
③ その代理人申請書を持って、再び役所に行くと、マイナンバーカードの書き換えが完了します。
つまり、代理人が2回も役所に行くか、本人が役所に行かないと、引越手続きが完了しないわけです。(自治体によって若干運用が異なりますが、面倒なことは変わりません)
共働きで休みが取りにくかったいうこともありますが、マイナンバーで簡素化されるべき手続きが逆に複雑になっていたことで本当にモヤモヤしました。
ちなみに、デンマークではマイナンバーカードという物理的なカードが存在しないため、日本のような問題は生じません。そのため、デンマークではクリック10回で手続きが完了したので、非常に心地良かったです。(日本でのモヤモヤを体験してたから、いっそう気持ちが良い😅)
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幸いなことに、現在日本でマイナンバーカードを持っている人が少ない & 引越時にマイナンバーカード書き換えをしなくても実質困らない(だって、確定申告以外でほとんど役にたたないんだもん)ので、あまり問題になっていません。
でも今後マイナンバーカードが普及して、マイナンバーカードに免許証や健康保険証が合体していくと、引越時のマイナンバーカードの書き換えが必須になってくると思います。
日本の年間引越人数は約550万人だそう。近い将来、この人数全員が物理的に役所に行かないといけなくなる・・・それって今より退化??
そして、何より気になるのは、旗振りをしている政治家やお役所のお偉方が、基本中の基本ともいえる引越手続きがオンライン化できないという事実に気がついてないんじゃないかという懸念。
うーん、やっぱり日本のデジタル化・オンライン化は足元から前途多難な気がする。