日本のマイナンバーカードのモヤっとポイント

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奥さんの大学院留学に帯同するため、会社を辞め、デンマーク第2の都市オーフスに住んでいるひぐちです。

今日のYahoo! Newsで、『マイナンバーカード未取得「理由提出を」 各省庁職員に』という朝日新聞の記事を読みました。マイナンバーカードの取得率が、全住民の14.3%に留まっているため、省庁の職員と家族の取得状況調査から取得率向上に向けた課題を洗い出したいそうです。

そこで、デジタル・デンマーク 第2弾の記事でデンマークの「CPR」と「NemID」の紹介をする前に、日本のマイナンバーカードの個人的な感想をシェアさせてください

 (という愚痴・・・)。

良くなった点、一つ目!!確定申告が本当に楽になりました。妻は青色申告の個人事業主、僕は会社員の傍ら大学院講師の”複業”収入があったので、夫婦共に確定申告が必要です。マイナンバーカードを取得する前は、税務署まで書類提出に行ってましたが、マイナンバーカードを使うとオンライン提出ができるようになり、楽ちんだなぁと結構感動的でした。

良くなった点、二つ目!!

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あれ?もうないかも。本当に残念ですが、確定申告以外、何か良くなったなーと実感できる点は思いつきませんでした。

逆にっ!改善してほしい点は、たくさんありました。

実感した”モヤっ” 1つ目、役所の手続きにマイナンバーカードが活かされていない。


デンマークに来る前に住居を完全に引き払ったので、いったん日本国内で住民票を動かしました。区役所の転出手続きでは、用紙を渡されて名前、旧住所、世帯構成、新住所を書くのですが、「なんで手書きなの?マイナンバーあるんだから新住所以外、自動で書いてよ〜」と思うわけです。

そして、今度は新住居の区役所で転入手続きをしに行くと、転入届にまた同じことを書かせられるわけです。 小さいことかもしれないですけど、「はっ💢なんでまた同じことを書くの?なんのためのマイナンバー?」と疑問を投げかけたくなります。

マイナンバーのようなシステムでは、転出・転入のようなマイナンバーに紐づいている情報は、オンランで手続きが可能になるはずなのに、このシステムを活かせてないのでもったいない・・・とマイナンバーの将来を憂いてしまいました。

実感した”モヤっ”  2つ目、本人がいないと、家族のマイナンバーカードの転入手続きを完了できない。


マイナンバーカードには各自治体の電子署名というのが入っています。例えばA区からB区のように自治体を超えて引越しをするとこの電子署名を入れ替える作業が発生します。この手続きは、なんと本人でないと手続きできないというルールになっているので、家族分はその場で手続きできないのです。(マイナンバーカード以外の転入手続きは、同世帯の人であれば委任状無しで代理手続きが可能です)

マイナンバーカードの代理手続きには、まず転入先の役所から妻宛に代理委任状を郵送(しかも郵送⁉︎)して、それを持って役所に再度代理人が出向く必要があるという始末。その時期は、デンマーク行きの準備、退職前の仕事の引継ぎ、連日の歓送会に、プラス住居の引き払いで、夫婦共に時間の余裕がゼロだったので、2回も役所に出向く手間と時間のロスはかなり閉口しました・・・

実感した”モヤっ” 3つ目、実際に使うには、マインバーカードに加えてICカードリーダーが必要なこと

#現在はスマホのICカードリーダーを介してマイナンバーカードを読み込めるようになりました。また、まだ一部のスマホだけですが、マイナンバーカードの情報をスマホ内に保存することもできるようになっています。


マイナンバーカードで確定申告をするためには、ICカードリーダーという特別な機器が必要です。それにパソコンにICカードリーダーを使うためのソフトウェアをインストールしないといけません。

僕自身は、そこまで苦労せずにセットアップできましたが、例えば僕の両親が簡単にICカードリーダー購入やパソコンのセットアップをできるかと言われるとできない気がします。そうすると、他の人にマイナンバーカードを勧めたくても、気安くお勧めできないこともモヤモヤします。

他にも改善して欲しい点はあるのですが、ちょっと書きすぎてるので一旦筆を収めますが、確定申告以外に役立っているところがなく、逆にモヤっとするところが多いというのがマイナンバーカードへの個人的な感想です。

マイナンバーカードを利用した自治体ポイントやマイナポイントの付与というお得な施策が出ているので、そこから広がっていくかもしれませんね。でもその前に、行政手続きがオンラインで完了するようにして欲しい・・・

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一方で、デンマークのマイナンバーは、個人番号の「CPR」と本人証明を行う「NemID」で構成されています。パスワードとスマホを使った2段階認証という仕組みを取り入れていて、利用者が使いこなすハードルも低く設定されています。しかも、日常生活で使うシーンが多いのも特徴です。

デンマーク版マイナンバーのCPRとNemIDについては、次記事で詳しく説明したいと思いま~す。()

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日本のマイナンバーカードのモヤっとポイント」への3件のフィードバック

  1. ピンバック: デンマークのマイナンバー「CPR」と「NemID」の使い方 – Living in Denmark

  2. ピンバック: スマホアプリで提示できちゃう健康保険証(イエローカード) – Living in Denmark

  3. ピンバック: 利用者目線で作られたデンマークの電子行政 - Living in Denmark

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