マイナンバーを使ったデータ収集がすごいデンマーク
今日、新聞を読んでいたら「赤ちゃんの名前人気ランキング(2019年)」という記事を発見!
どうやら、昨年、デンマークで生まれた男の子の名前で最も人気だったのは William (556人)、女の子の名前は Emma (486人) だったそうです。
この記事を見て、日本の名前ランキングが気になって調べてみたら、あれ?となってしまいました。なぜなら、ランキングの結果が違う情報が出てきたからです。
2019年生まれの赤ちゃんで最も人気だった名前
■ 明治安田生命
男の子: 蓮(れん)
女の子: 凛(りん)
https://www.meijiyasuda.co.jp/enjoy/ranking/year_men/index.html■ ベネッセたまひよ
男の子: 蓮(れん)
女の子: 陽葵(ひまり)
https://st.benesse.ne.jp/ninshin/name/
実は、日本の名前ランキングって正確ではないことに気がつきました。
ランキングを発表している企業が、独自の顧客情報からデータを集計しているので日本全体の統計情報ではなくて、たった一部の情報・・・。
一方で、デンマークのデータはかなり正確。
なぜなら、CPRのおかげで国民およびデンマークに居住している外国人全員の情報がほぼリアルタイムで正確に集計できてしまうからです。
データは1985年からそろっているので、デンマーク統計局のサイトに行けば ↓のように 何人の赤ちゃんがWilliamとEmmaという名前をもらったか厳密な統計がすぐにわかっちゃいます。
このグラフ、デンマーク統計局の「Name Barometer(デ: Navnebarometer)」というものなのですが、名前を入力するとその名前を付けられた赤ちゃんの人数を時系列でグラフにしてくれる面白いツールです。
面白いので、僕の名前の Hiroshi を入れてみました。
すると・・・
1998年に1人、Hiroshi君が生まれてる!! なんだか嬉しい (笑)
他にも「How many are named …? (デ: Hvor mange hedder…?)」というのがあるのですが、これはデンマーク国内に同じ名前の人が何人いるか調べてくれるサイト。
こっちでも Hiroshi を検索してみると・・・
なんと、現在デンマークには8人も Hiroshi さんがいる!!
あれ? よ〜く見ると、女性で Hiroshi という名前の方もいるみたい?!
Hiroshiは男の子の名前だと思っていたので、女性のHiroshiさんは興味深い。
***
日本にもマイナンバーがありますが、デンマークのように統計データとして使えるようなデータにはなっていません。日本では、住民票や戸籍は全国の自治体(約1800団体ある)が個別に管理することになっているので、デンマークのような横断的な情報収集がそもそもやりにくくなっています。
日本の方が個人情報保全がしっかりしているという見方もありますが、マイナンバーを統計に活用できるかどうかで、統計局の実力の差がはっきりとでてしまうようです。
見にくくて申し訳ないのですが、↓は日本の総務省統計局とデンマーク統計局が発表する統計のリストです。
このリストによると、日本の総務省統計局が集計している統計は22個(そのうちの7個は5年ごとにしか集計されません)。
デンマーク統計局は、なんと10個以上の統計を毎日発表。単純計算すると、たったの2日で日本の統計局以上の統計発表をしていることになります。(あまりにも発表量が多すぎてスクリーンショットに表示できたのは2日分だけでした・・・)そして、あくまでも邪推ですが、デンマーク統計局の方が職員の数は少ないに違いない・・・。
統計情報がどれだけ政策に活きているか分かりませんが、デンマークの方がより定量的な分析に基づいた政策を取りやすそうです。
日本のマイナンバーは稼働したばかり。デンマークのように統計情報をリアルタイムで収集できるようになるのは遠い先だと思いますが、デジタル・デンマークの先進事例を踏まえてマイナンバーの活用シーンを増やして欲しいなぁと思いました。
ピンバック: 国によって違うウォーリーの名前! - Living in Denmark