免許切り替え①日本の免許証からデンマークの免許証への切り替え手順
デンマークに居住する場合、居住地が定まってから180日以内は日本で発行した国際免許証が有効です。しかし、181日目からはデンマークの免許証でないと運転が認められません。
181日以降に、デンマークの免許証無しで運転すると5,000クローネ(約85,000円)の罰金です。
そこで、日本の免許をデンマークの免許に切り替える手順をまとめてみました。
目次
免許切り替えのメリットとデメリット
免許切り替えにはメリットとデメリットがあります。
念の為、メリットとデメリットを確認した上で本当に切り替えるか検討してください。
⭕️メリット① EU圏内ならどこでも使える
デンマークの免許証のメリットの一つはEU圏内ならどこでも使えるということ。
欧州内の旅行や出張で車やレンタカーが使えると行動範囲が広がるので便利です。
⭕️メリット② EU以外でも使える国が多い
実は国際免許証には、ウィーン条約とジュネーブ条約の2種類があります。
日本はジュネーブ条約締結国なので、原則的にはジュネーブ条約締結国でないと日本の国際免許証で運転することができません。
一方、デンマークはウィーン条約とジュネーブ条約を二つとも締結しているので、いずれのタイプの国際免許証を発行することができます。つまり、日本の国際免許証よりも、デンマークの国際免許証の方が運転できる国が多いというのがメリット。
まぁ、EU以外のウィーン条約オンリーの国で運転をしないといけないケースは少ないと思いますが・・・。
なお、ジュネーブ条約の国際免許証を発行することで、デンマークの免許証を使って日本で運転することができます。
⭕️メリット③ 有効期限が長い
デンマークの免許証は有効期限が非常に長〜く、一回取得したら15年近く期限が切れません。
一方で、いくつか考慮すべき点もあります。
❌デメリット① 日本の免許証がなくなります
デンマークの免許証をゲットする際は、日本の免許を預けて、デンマークの免許をもらうという手続きになるので、日本の免許証は使えなくなります。(日本への本帰国の際に、デンマーク免許を返納して、日本の免許を返してもらうという手続きをします)
メリット②で紹介した通り、デンマークで国際免許証を発行すれば、日本での一時帰国の際に運転することが可能ですが、日本での身分証明書や住所証明がなくなる点は要注意です。
❌デメリット② 仮免中はデンマーク(と北欧の一部の国)でしか運転できない
手続きをしてから、デンマークの正式免許証が届くまでは仮免許扱い。
仮免許期間中はデンマーク(と北欧の一部の国)でしか運転ができないという制約があり、他のEU国はもちろんのこと、日本でも運転ができなくなります。(正式免許が届くまでは国際免許証は発行できません)
正式な免許が届くまで半年以上かかることもあるので、その期間デンマークでしか運転できなくなってしまう点が要注意です。
免許切り替えの条件
嬉しいことに日本は他国よりも優遇されているGroup 1に指定されているので、試験なしで免許を切り替えてもらえます。
ちなみに、Group 1に含まれているのは、オーストラリアのオーストラリア首都特別地域、台湾、ブラジル、韓国、イギリス、ロシア、ウクライナ、スイス、そして日本と7カ国と特定地域しないので、ちょっとVIP感があります。
また、以下の条件があるようです。
- 最初に免許を取得してから2年以上経過していること
- 過去5年に免停や重大違反をしていないこと(← 警察経由で確認されます)
申請に必要なもの
申請には下記のものが必要です。
- 有効な日本の免許証
- 日本大使館による翻訳認証済みの免許証の英訳
- 35mm x 45mmの証明写真 (詳細はこちら) ※1
- かかりつけ医(GP)による健康診断書
- 居住許可証 (Resident Permit ID)
- 日本大使館の翻訳証明手数料 (現金 260クローネ ※2)
- かかりつけ医の診断料 (350-500クローネ ※3)
- 市役所への手数料 280クローネ
※1 デンマークの証明写真は高いので、日本で作って持ってくるのがお勧めです
※2 2023年3月時点 – 毎年4月に改定されるので大使館のウェブサイトを確認してください
※3 かかりつけ医によって価格が異なるそうです
※4 2023年3月時点 – 居住場所によって違うかもしれませんので市役所でご確認ください
ステップ① かかりつけ医による診断書(2週間〜1ヶ月)
準備に一番時間がかかるのは、「かかりつけ医(GP)による健康診断書」です。なぜなら、かかりつけ医の予約が一杯なので下手すると1ヶ月待ちなのです。CPR申請をしたらすぐにかかりつけ医の予約をしましょう。
かかりつけ医に行く際の所持品
・Yellow Cardもしくは CPR申請証明書(Yellow Cardが届く前の場合)
・証明写真
・診断料
ちなみに、健康診断の体験記は↓にまとめてありまーす。
ステップ② 免許証の翻訳と翻訳認証(約1週間)
日本の免許証を翻訳した上で、在デンマーク日本大使館で翻訳認証を受けましょう。
免許証の翻訳は業者に頼んでも良いですが、自分で翻訳しても構いません。僕たちはPowerPointを使って自分で作成しました。
翻訳ができたら、在デンマーク大使館のウェブサイトを確認して、「翻訳証明」を申請しましょう。メールで申請書、免許原本の写真、翻訳文面を大使館に送付すると、約1週間後に大使館で受け取れます。
大使館に行く際の所持品
・パスポート
・運転免許証
・手数料 (現金オンリーです)
ステップ③ 最寄りの市民サービスで手続き
書類が揃ったら、最寄りの市民サービスで申請をします。
オーフスの場合は Dokk1での手続きなので、オンラインでの事前予約がおすすめです。
日本の免許証、翻訳証明済みの免許証の英訳、居住許可証 (Resident Permit ID)、健康診断書を渡してください。
デンマーク語で中身がさっぱりわからない書類にサインさせられますが、「過去5年に免停や重大違反をしていません」的な内容なはずです。
手数料の280クローネをクレジットカードで支払うと終了ですが、ここで日本の免許証としばしお別れです。
免許証はデンマークの警察に送付され、警察経由で本当に過去5年間に免停などがないかの確認に使用された後、警察が預かります。
ちなみに、「確認に6ヶ月から8ヶ月ぐらいかかるから〜」と言われてしまいました。その間は、なんと↓のA6サイズの紙切れが僕の仮の免許証になりました。
この紙切れ免許証、有効期限が3ヶ月しかありません。本免許証が届くまでの6〜8ヶ月の間は、この紙切れを更新する必要があります。ちょっと面倒・・・。
さらに、この紙切れ免許証は、デンマーク・フィンランド・アイスランド・ノルウェー・スウェーデンで運転ができますが、他のEU諸国では使えません。
市民サービスに行く際の所持品
・Resident Permit
・日本の運転免許証
・翻訳証明済みの免許証の英訳
・健康診断書が入った封書
・手数料 (クレジットカード使えました)
なお、紙切れ免許証を更新した時の記録記事は👇です。
特記事項①:180日以内の制限について
2020年にルールが変わり、海外の免許証で運転できる期間が90日から180日に変更されました。2023年3月時点では180日間まで大丈夫です。(公式情報は、Færdselsstyrelsenのウェブサイトを確認ください)
また、いくつかのウェブサイト(在デンマーク日本国大使館とか)を見ていると、「CPR申請をしてから14日以内に申請」と書かれていますが、オーフス市役所にメールで確認しところ下記のように返答があり、申請の締め切りはないそうです。
There is no deadline to apply for the conversion, but you are only allowed to drive 90 days after your registration in Denmark [with your International license].
※ 確認当時(2019年)は、制限期間が90日以内だったので90日と記載されています。
***
以前(2019年当時)は、コペンハーゲン市のウェブサイト(リンク切れです)にて90日以降を過ぎた場合は仮の紙切れ免許証を発行しないと書かれていたことがあります。同様の言及を見つけることができなくなりましたが、コペンハーゲン在住の方は早めに手続きしたほうがいいかも〜(オーフス市では制限期間を過ぎても問題なく紙切れ免許証を発行してくれました)
If you apply after 90 days of taken residence in Denmark Borgerservice will not issue a temporary licence.
特記事項②:普通自動車以外の免許について
試験なしで交換してもらえる免許は、いわゆる普通自動車免許の「クラスB」というものです。
バイク(クラスA)や大型自動車(クラスC)など、クラスB以外の免許は含まれず、別途試験を受けないといけないそうです。詳しくはFærdselsstyrelsenのウェブサイト もしくは市役所で問い合わせてください。
以上でーす。
ピンバック: 免許切り替え②有効期限3か月のデンマークの仮の免許証 – Living in Denmark