EU? ユーロ? NATO? 北欧のややこしい加盟状況
連日ニュースで取り上げられているように、ロシアの軍事侵攻で欧州方面はキナくさい状況です。
さてそんな中、日本にいる友人や、オンラインで教えているグロービス経営大学院大学の受講生達から「デンマークってNATOに加盟してましたっけ?」という質問をされることが多くなりました。
ロシアの脅威に対抗するため、スウェーデンやフィンランドがNATOへの加盟にむけて大きく動いた・・・というニュースが取り上げられたから注目度が上がったようです。
【ブリュッセル=竹内康雄】フィンランド議会は20日、北大西洋条約機構(NATO)加盟を含む安全保障政策の強化に向けた審議を始めた。国営放送YLEによると、複数の主要政党が加盟申請に前向きな姿勢を示した。ロシアによるウクライナ侵攻を受けて自国の安保環境に関する懸念も高まり、加盟に傾く議員が増えている。政府が13日に関連する報告書を公表したのを受けて、議会が審議を始めた。マリン首相は同日、NATO
特に、北欧にはNATOに加盟していない国があるという印象から、デンマークがNATOに加盟しているか気になるようでした。
***
実は北欧において「どの国が、どの連合に加盟しているのか?」というのはとてもややこしかったりします。
例えばですが・・・
- EUに加盟しているのは、スウェーデン、デンマーク、フィンランド
- ユーロ圏なのは、フィンランドのみ
- NATOに加盟しているのは、デンマーク、ノルウェー
- EUの合同防衛機構 EDA※ に加盟しているのは、スウェーデン、フィンランド
と、みんなバラバラ!
※ EDA (欧州防衛機関) は、EU加盟国による共通外交・安全保障政策の機関です。イメージとしては、EUとしての外務省&防衛省的な政策組織かな?
本当は、EU加盟国は自動的にEDAに加盟することになるのですが、デンマークだけは国民投票で加盟しないことになったので外れています。
ややこしいので表にしてみました👇
それぞれ独自の事情があるのだと思いますが、バラバラ感がすごい😅
まぁ、以前👇のnoteで紹介した通り、ヨーロッパの定義も難しいのでそんなものなのかもしれません。
しかし、今回のロシアの暴挙は、欧州を防衛するための共同体にきちんと加盟すべき・・・と、北欧の国々に現実を突きつけたようです。
冒頭のニュースでも紹介されたように、フィンランド、スウェーデンはNATO加盟を検討していますし、デンマークもEDA加盟の是非を国民投票で決議することを検討しています。
本当はそういう同盟や軍事連合が必要ない平和が一番なのだけど・・・
***
ところで、表の中の使用通貨の欄で、「クローナ」と「クローネ」が入り混じっていますが、その理由は👇のnoteに書いてます!
ピンバック: EUの防衛機構に加入するかどうかを決める「国民投票」実施! - Living in Denmark