デンマークの大学の卒論:指導方法
妻の修士論文提出が残り1週間。
いよいよ第四コーナーを回ってゴール間近っ!という所に差し掛かってきました〜。
僕の目から見てもかなり完成度が高くなってきているので、あとは最後の一踏ん張り。ただ、本人的にはまだまだやらないといけないことは沢山あるそうなので、最後まで走れるよう、応援エールを念じて送っています📣
さて、そんな奥さんの卒論様子を見ていると、指導教官による卒論指導の方法が少しユニークだと思ったのでnoteに書いてみることにしました〜。
卒論指導は「放任主義」な「個人指導」方式
日本でよく聞く卒論指導は、いわゆる「ゼミ方式」というもの。
定期的に指導教員とゼミに所属する学生が集まり、学生が順番に卒論の進捗状況を報告しながら指導教員がアドバイスするやり方です。
一方、僕が卒業したオーストラリアの大学や、妻が勉強している大学では、指導教官が1対1の状況で個別に学生を指導する「個人指導方式 (Individual Supervision)」という方法がとられています。
しかも、学生の方からコンタクトを取らないと何もしてくれないという「放任主義」な方法です。必要に応じて、学生の方から指導教官にコンタクトして相談やone-on-one ミーティングをお願いしないといけません。(基本的に学生の自主性・自己責任が重んじられる方式です)
卒論指導は20時間まで!
欧米では放任主義な個人指導方式が一般的な方法なので、ここまではあまり驚きはありません。
でも、奥さんと奥さんの同級生の話を聞いていると・・・
なんとっ、指導教員は卒論指導に使える「時間」に制限があるっぽい!?
どうやら指導教官が修士卒論の指導に使える時間はトータルで20時間が上限。(オーフス大学の Faculty of Art の場合です。大学や学部によって若干異なるかもしれません)
それ以上は、教授の「規定勤務時間」を超えてしまうらしく、原則NG😲
しかもこの20時間は、相談をする打ち合わせの時間だけではなく、卒論のドラフトを読んでもらう時間、メールでやりとりする時間、卒論の手続き用に提出書類のチェックや署名をしてもらう時間、なども含めた20時間。
もし複数の指導教官がいる場合、この20時間を指導教官の間で配分することになるのでメインの指導教官が15時間使い、サブの指導教官が残りの5時間を使う・・・ということになるそうです。
ちなみにこれは、先生方の雇用契約書に含まれる合意事項として記載されているルールだそうです。
時間管理の徹底ぶりが本当にすごいですね。さすがデンマーク。
卒論のドラフトは全部見てくれない
指導教官には20時間の上限があるので、指導教官が卒論全体に目を通すのは珍しいようです。
多くの場合、全体の20〜50%ぐらいしか見てもらえないようです。しかも細かなチェックはしてもらえません。(特定部分に限ってお願いすれば、細かなところもチェックしてもらえるかも・・・)
ちなみに奥さんの場合、👇のような流れで指導教官とディスカッション&相談したそう。
■ 進め方とスケジュール感の確認
↓
■ 論文の主題と骨子の確認
↓
■ 論文の全体構造・流れの確認
↓
■ 前半部分のおおまかなレビュー
↓
■ 後半部分のおおまかなレビュー
いずれも事前に論文のドラフトを送っているそうですが、「相談したい部分だけを送ってね」と指導教官から言われたので、全体は読まないようです。
ちなみに、奥さんの同級生の中には、はっきりと「20%しか読まないよ」と言われた人もいるそう⁉️
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さて。デンマーク方式だと、事前にレビューをしてもらえないので、本当に正しいか? 卒論として問題がないか? は提出してみないと分からない・・・。
ちょっとドキドキですが・・・
大丈夫!奥さんの論文はしっかりしてるヨ。
提出まで残り1週間ちょっと!
笑っても泣いても、走り切るしかない!