クリスマスのケンタと多文化理解
オーフスではクリスマスのイルミネーションが灯り、街が一気にウキウキしてきました〜🎄
職場のランチ休憩の話題も、もっぱらクリスマスに向けたデコレーションやプレゼンの話や、休暇中の過ごし方といったトピックが自然と多くなる季節です。
さて、そんな中、同僚のヨーナスがこの時期に必ず話題に挙げる「お気に入りトークテーマ」が1つあります。
それは・・・・
日本ではクリスマスにKFCを食べる!!
という話(笑)
以前も紹介したことがありますが、日本におけるクリスマスイブのケンタッキーフライドチキン人気の話を欧州人にすると、心底びっくりします。
特に👇の、お馴染みのキャンペーンを見せると、もう目が点。
クリスマスを祝う国の人達にとって、クリスマディナーは最も伝統的で美味しい食事を楽しむ日。
そんな重要な日に、ファーストフード!?
しかも、事前予約しないと食べられない?!
デンマーク人にとっては、本当に意味がわからなくて、理解が追いつかない現象なのです。
ヨーナス君にこの話をしたのは4年前なのですが、よほど気に入ったようで、毎年クリスマスになるとネタ振りをしてくれ、この話題を初めて聞くデンマーク人同僚の反応を楽しんでいる感じです。
***
でも、この話をする時、ただ面白おかしく喋ってもいいのですが、僕は「背景」をしっかり説明して、日本文化の「重み」と「深み」を伝えるようにしています。
- そもそもキリスト教ではない日本では、年末年始の方が重要。
- 大晦日から三が日には、家族や親族が集まり、それはそれは伝統的な食事を食べて過ごす。
- クリスマスにKFCを食べる日本人に驚いているけど、日本人的には「神聖な年末年始にはしゃいで飲み明かし、真夜中のマクドナルドで並ぶデンマーク人」がありえない。
そんな話をしながら、年末年始のご馳走写真を見せると・・・・
うわ〜!すごっ、美味しそう😋
食卓がまるでアート!😍
デンマークのクリスマスディナーよりもカラフルね〜 😲※
と、グッと反応が変わります。
※ デンマークのクリスマスディナーは、茶色のロースト肉、茶色のソース、茶色のポテトなど、茶色メインだからです。
***
そして、「そうか、デンマークはクリスマス、日本は年末年始と、重要な祭日が逆なんだね〜。そうだった、クリスマスってイエスキリストの生誕日だから、キリスト教の祭日だもんな」と納得します。
単純に言えば、伝統の重みがクリスマスにあるか?年末年始にあるか?という違いなのですが、「自分達と異なる日本の文化を知ることで、クリスマスという自分達のデンマークの文化を知る」という発見が新鮮のよう。
一方で、重要な日には家族や親族集まってご馳走を食べるという点は、日本もデンマークも同じという「共通性」も印象に残るようです。
やはり同じ人類なので、大切な日を家族で祝いたいという本質的な価値観は共通。祝い方の様式、食材、時期がちょっと違うだけなのでしょうね。
表面的な文化の違いを指摘するよりも、共通項を認識した上で多様な表現方法を愉しむ(appreciateする)方が、多文化を尊重し理解することなのだと思います(← カッコよく〆てますが、実は奥さんが言った言葉です。良いなぁと思ったので勝手に引用しちゃいました 😆)