アジアンスーパーで垣間見た日本メーカーのGlocalization戦略
今日は、オーフス市郊外にあるアジアン・スーパーマーケット 「KFT Food」に初訪問してきました!
結果から言うと、以前紹介したFar Eastに比べると、敷地は広かったのですが、タイ・ベトナム系食材に力を入れているようで、日中韓の食材に関してはFar Eastの方が品揃えが良かったです。
でも、せっかくなので隅々までお店を見ていたら、日本メーカーの「頑張り!」を発見したので紹介しまーす!
目次
日本メーカーの商品 in アジアン食品スーパー
S&B 練り七味チューブ
日本ではおなじみのチューブタイプのわさびの隣にあるのが、練り七味唐辛子と柚子胡椒チューブ。よーく見ると、練り七味唐辛子の名前は「Nanami」で「Shichimi」ではありません。
実はこれ、Shichimi にすると 一味 と音が似ていて紛らわしいため名前をワザと変えて工夫しているそうです。また、海外では「麻の実」「けしの実」は規制されている国もあるため、海外版Nanamiは「生姜」「白ごま」が入っています。
大正製薬 タイ版リポビタンD
ドリンクコーナーで発見したのは「リポビタンD」のタイバージョンです。肝心なロゴや商品ラベルの上にデンマーク語の商品説明シールが貼られてしまっているので、とても分かりにくい(苦笑)ですが、リポビタンDの鷲の羽がちょっとだけ見えますね。
リポビタンはアジア各国に商品を出していますが、それぞれ味・成分・形が違います。僕がオーストラリアにいた時、リポビタンDが突然お店に並び始めました。その際は、馴染みのビンではなく250ml缶でちょっとびっくりした記憶があります。 タイ版は、味がもうちょっと甘いそうです。各国のニーズに合わせて工夫されていますね。
このお店にタイ版のリポビタンDがあるということは、やっぱりタイ人のお客さんに人気があるからでしょうか。
ホーユー ビゲンヘアカラー
こちらは食べ物ではないですが、「ビゲン、香りのヘアカラー♪」のCMが特徴的なホーユーのヘアカラーです。
面白いのは使い方で、”Just mix with plain water”(水と混ぜてください) と書いてありました。日本だと溶剤を混ぜるだけで、水を混ぜることはないので、使い方が新しい。
でも、日本の商品に比べるとデザインが、うー・・・ダサい。
異文化マネジメントを学んでいる妻は、ちょうど文化への固定観念について論文を読んでいたので、ステレオタイプな東洋デザインに「うわー、すごいオリエンタル・・・」と呟いていました。
日清食品 出前一丁とんこつ味
そして最後に妻の青春の思い出の味、「出前一丁 とんこつ味」
日本の出前一丁は基本醤油味(赤パッケージ)なのですが、海外にいくと色々なフレーバーの出前一丁があります。九州出身の妻のラーメンランキングでは、とんこつ味が1位(かなり離されて塩味2位、その他はランク外、特に醤油豚骨は圏外 笑)なので、オーストラリア留学中は、出前一丁とんこつ味をたまに食べていたそうです。
あっ、でもこの出前一丁は、進化していて「極辛」の Hot Tonkotsu になっている!
Glocalizationで拡がる日本の食品
KFT Food全体で見ると、残念ながら日本メーカーの食品は限られていました。
しかし、店頭に並んでいる日本メーカー食品は、海外市場の事情やニーズに合わせ、名前を変え、デザインを変え、味を変え、商品を進化させようとしている企業努力を感じました。
現時点では、おそらく近場のアジア市場に力を入れているので、アジア向けの商品がここオーフスのアジア食品スーパーに流れて来ているのだと推測しています。日本メーカーにはもっともっとGlocalization戦略※を推し進めてもらい、ヨーロッパの市場の一角を担ってほしいなぁと、応援したい気持ちで帰路につきました。
がんばれ日本!
※ Glocalizationとは、世界規模の展開(Globalization)を目指しつつも、各国の文化や法律に適した商品/サービスを提供(Localization)する戦略/手法のこと。