日経新聞とScience Fictionで憂う近未来
ウクライナに対するロシアや台湾に対する中国など、国際情勢的な懸念がいくつか燻っていますが、個人的には昨日の日経新聞で取り上げられていた個人情報に関するニュースもちょっと気になっています。
クッキー規制論争で再浮上 個人情報巡る法制の「穴」個人のネット利用履歴データの保護などに向け政府が今国会での成立を目指している電気通信事業法の改正を巡って、論争が静まらないwww.nikkei.com
ウェブサイトを閲覧していると実に数十から数百あまりの外部企業が僕たちのアクセス履歴や利用履歴をこっそりと収集しているそう。
もちろん個人を特定できない形ではあるものの、『「のぞき見」されているようなものだ』ということで、世界的には個人情報を守るためにIT企業に対して規制をかける流れができつつあります。
もちろん日本も電気通信事業法を改正することで対応しようとしているのですが、楽天などのIT企業が加わっている新経済連盟は強く反対したため、ネット利用履歴情報の保護は進展しないことになってしまったみたい。
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ここで僕が何を気にしているのかというと、こちらの日経新聞で取り上げられている「監視資本主義」。
民主主義は監視資本主義に勝つ 米ハーバード大ズボフ氏ネット利用者の利用履歴データを実質的に無断で収集し、収益化する企業の行動を「監視資本主義」と名付け、その弊害について警鐘をwww.nikkei.com
Amazon、Google、FacebookなどのメガIT企業は、個人のネット利用の履歴データをものすごい勢いで蓄積しています。それがユーザーの利便性を生み出している一方で、『(プライバシーの侵害や民主主義への悪影響など)社会的な害をもたらす』可能性を僕はちょっと心配しています。
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さて、ここでいきなり話題を僕の好きなSFに変えちゃうのですが、監視資本主義に対する警報として紹介したいのが、アマゾンで配信されている「エレクトリックドーリムズ」という一話完結型のSF動画。
「便利だから・・・」と使い続けていると、いつの間にかあらゆる個人情報が丸裸にされてしまい、高度なIT技術が個人を監視したり、人々の「選択」を誘導・強制し始めちゃうかもしれません。
「エレクトリックドーリムズ」は、高度なIT技術が、個人の権利や民主主義を脅かす様子を描いていて、特に第6話の「安全第一」や最終話の「よそ者を殺せ」は秀逸です。(ストーリはとても悲観的だけど・・・)
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ちなみに、数多くの名作SFを出版している早川書房さんが「いまSFを読む本当の価値とは」という面白い記事をnoteに投稿されていました。
https://note.com/embed/notes/nd25a8ecd0b43
SF作品は必ずしも科学的ではないものの、科学的な「思考法」をもとにした物語から、常識を打破する思考や新しい価値観に気づくこと、がSFを読む本当の価値ではないかと投げかられています。
SF好きな僕は、激しく同意できちゃう内容。
そして付け加えるならば、「民主主義や個人の権利というものは、気がつかないうちに奪われてしまうかもしれない、だからこそしっかり守らないといけない」ということを空想の中で教えてくれるのがSFの価値の一つなんじゃないかなと思ったりもするわけです。
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ダラダラと書いてしまいましたが、今日は日経新聞さんの記事から、連鎖反応的にSFの話に行き着いてしまった・・・というお話でした😅