アンデルセン、ニールセン・・・ センがやたら多いデンマークの名字事情
日本人の名字(Surname)で、最も多いは「佐藤」。そして「鈴木」、「高橋」、「田中」と続くそうです。
デンマーク人の名字を見ると、Andersen のように語尾に sen がつくことがやたら多い、というか sen が付かない名字の方が珍しい。
実は・・・
語尾のsenは「XXXさんの息子」という意味。
なので、Andersonというのは “Son of Anders (Anders さんの息子)” という意味になります。
大昔のデンマークでは👇のように父親の下の名前(Firstname)にsenをつけ、子供の名字とする伝統があったそうです。
この名字の付け方は、専門用語的にはpatronymic nameと呼ばれるそうで、ノルウェー・スウェーデンなどの北欧国に加え、アイルランドやスコットランドでも見られるそうです (有名なのはハンバーガーのMcDonald’s。Mc が Donaldさんの息子という意味)
この名前の付け方は1826年に廃止され、日本と同じように親の名字をそのまま引き継ぐ形になりましたが、その時の xxxx sen という名字が大量に残った模様。
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実際、デンマークの統計局が発行している名字ランキングによると、Top20のうち19位のMøller以外はすべて sen が付く名前でした! (2021年1月1日時点)
トップ20に出てくる19個の名字だけで国民の3割以上を占めるので、少なくとも3人にひとりは xxxx sen になる計算・・・。そりゃ、なんとかセンが多いわけだ。
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まだ外国人労働者が多くなかったちょっと昔、名字にsenがないと雇ってもらえなかったことがあったそう。そのため、デンマークに住む外国人は、わざわざデンマークっぽい xxxx sen という名前に改名した時代があると聞きました。
今も外国人の就職は大変ですが、さすがに名前を変える必要なありません。でも、もし変えないといけなかったら、Higuchisen? (笑)
ちなみに、デンマーク統計局のデータによると、近年は毎年16,000〜18,000人の人が xxxx sen から sen が付かない名字に改名しています。
一方で、senが付く名前に改名している人は毎年6,000人ほどなので、実はsenが付くデンマーク人は減少傾向にあるようです。(残念ながら理由は定かではありません)
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さて、デジタル化がかなり進んでいるデンマークでは、統計局のウェブサイトで自分と同じ名前の人が何人いるか検索することもできます。
試しに僕の Higuchi で検索したら・・・
なんと、昨年まではHiguchiさんが4人いたっぽい!!
その内の2人は僕と僕の奥さんのはずなので、おそらくご夫婦でデンマークに住んでいたHiguchiさんが、今年になって帰国(もしくは別の国へ引越し)されたのかな?
やっぱりコペンハーゲンに住われていたのかな?
意外にオーフスだったらすごいなぁ・・・
お仕事かなぁ、留学かなぁ。
もういらっしゃらないですが、もう一組のヒグチさんにちょっと想いを馳せてみました (笑)
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