スマホアプリで提示できちゃう健康保険証(イエローカード)
先日、こちらの日経新聞で「マイナンバーカードが健康保険証に使えるようになった」という記事を発見!
マイナンバーカード、健康保険証にも 20日から本格運用マイナンバーカードが20日から健康保険証として使えるようになる。医療機関や薬局でカードを示せば保険証提示は不要になる。専用www.nikkei.com
引っ越しや転職の際に新しい保険証に切り替えなくてよくなるほか、ポータルサイトで過去の処方箋なども確認できるようになるので利便性が高くなるそうです。
政府や官公庁としては、マイナンバーカードを健康保険証として使えるようにすることで、なかなか普及が広がらないマイナンバーカードの爆進剤にしたいと考えているようですね。
ただ、対応している病院や診療所が少ないこともあり、健康保険証としての利用をどう軌道に乗せるかが課題ではないか、と日経新聞の記事で指摘されていました。
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さて、デンマークの健康保険証は👇のような黄色いカード。
黄色いので、通称 Yellow Card と言われています。
このカードがあれば、病院診療は基本的に無料。
なかなか病院予約が取れなかったり、かかりつけ医の紹介状がないと専門診療を受けられなかったり、薬代や歯科治療は自己負担だったり、と負の面もありますが、無料医療はデンマークの良いところ。
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このYellow Card、日本のマイナンバーカードや健康保険証と比べるとかなりシンプル。
デジタル化がかなり進んでいるデンマークにしてはずいぶんアナログなカードだなぁと思っていたのですが・・・
実はっ!! 少し前からスマホアプリへと進化していました!!
それがこちらの、Sundhedskoret (英: The Health Card、日: 健康保険証)
注:iOSの場合は、AppStoreの地域をデンマークにしないとインストールできません。
iOS版: https://apps.apple.com/dk/app/sundhedskortet/id1553871328
Android版: https://play.google.com/store/apps/details?id=dk.digst.hc
以下の3点を満たしていれば、このアプリを健康保険証の代わりに使うことができます。
■ デンマークに居住してCPR番号を持っていること
■ NemID (マイナンバーのデジタル個人認証ID)を持っていること
■ 保険グループ 1 or 2 に属していること(Yellow CardのSilkr.gr.欄の横の数字です)
そして使い方はとても簡単。インストールした後に、アプリを開いて、NemIDでログインするだけ。
すぐに健康保険証がアプリで表示されるので、病院ではアプリ画面を提示するか、アプリ画面に表示されるバーコードを端末でスキャンするだけでOK。
やったー!!これで財布から余計なカードが一枚減った!!
※ アプリのスクリーンショットを見せらればよかったのですが、アプリのスクリーンショットを撮ったら「他の人にシェアしちゃダメよ」という警告文が表示されたのでゴメンなさいです 😅
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デンマークのめちゃくちゃ便利なCPR番号とNemIDを使っている中で、僕が感じるのは、日本のマイナンバーカードの普及と利便性を妨げているのは、「ICチップという物理的なモノで個人認証を行う仕組み」そのものという結論。
日本ではマイナンバーカードのおかげで年末調整がとても楽になったのですが、マイナンバーを使うためにはICカードリーダーを用意しないといけなく、準備するのがちょっと大変。(しかも毎年、新しいバージョンのソフトウェアをインストールしないといけないし・・・)
おまけに引越しの際の転入手続きの際は、マイナンバーカードのICチップをお役所で書き換えるための「物理的な手続き」が必須。原則本人でないとNGなので、実は従来よりも手続きが面倒くさくなっているという馬鹿げた話💢
ちなみに、日本のマイナンバーに対するモヤモヤはこちら👇で愚痴っています😅
一方、デンマークでは、NemIDというデジタル認証を使い、スマホアプリで様々な個人認証や手続きができるようになっています。
例えば、最近導入された「Coronapas(ワクチン接種証明)」もスマホアプリ。QRコードを表示したり、提示されたQRコードをチェックする機能がありとても便利でした。もちろんEU内ならデンマーク外でも利用OK!
つまり、マイナンバー先進国のデンマークは物理的なカードを使わないことが大方針。そして、それが実際にユーザーにとって、とても、とても、とても便利!
冒頭の日経新聞の記事では「カード自体の普及も遅れている。総務省によるとカード交付率は全住民の4割に届いていない。」と問題点を挙げていましたが・・・
政府・総務省が目指すべきなのは、カード交付率を高めることではなくて、そもそもカードを使わなくても生活者の利便性を高められるようにすることでないのだろうか?
デジタル庁にはめっちゃ期待しているのだけどなぁ。