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缶・瓶・ペットボトルに上乗せされる「Pant」というデポジット
日本国内でお引っ越しをすると、ゴミの出し方が分かりにくくて、ちょっと戸惑うことはないでしょうか。
海外に引っ越した際も同じです。言語も慣習も違う上に、あまり親切に教えてもらえないので、悩みながらゴミ出しをするというのは良くある話だと思います。
特に困るのは「資源ゴミ」。資源ゴミとして回収する対象物や回収方法が、国によってかなり違うので一番悩む事が多い気がします。中でも、缶・瓶・プラスチックボトルなどの資源ゴミをきちんとリサイクルしないと損をする国もあるので要注意です。
実は、デンマークもきちんとリサイクルしないと損をしてしまう国の一つなので、今日はデンマークでのリサイクルの仕組みと手順を紹介します!
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目次
デンマークにおけるリサイクルの仕組み
追加して払う「Pant」というデポジット
デンマークでは、ビールやジュースなど、缶・瓶・ペットボトルに入った飲料を購入すると、レジで 「Pant」というデポジットを追加して払うことになっています。
そのため、ビールやジュースの値札には、↓のように「本体値段+Pantの金額」が書かれています。
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このPantはデポジットなので、飲み終わった缶・瓶・ペットボトルをきちんとリサイクルすると返金してもらえます。
デポジットという形でお金を事前に徴収し、リサイクルしたらお金を返す、という仕組みで消費者のリサイクル行動を促す作戦なので、きちんとリサイクルしないとPantで支払った分を損します。
金額は、1〜3クローネ(約16〜50円)とほんのちょっとですが、塵もつもれば山になるので、デンマークでは缶・瓶・ペットボトルのリサイクルをきちんと行うことをお勧めします!
デポジットの返金手続き
リサイクル時の返金手続きはとても簡単です。スーパーならどこにでも↓のような機械が必ず置いてあるので、そこでリサイクルするペットボトル、瓶、缶を機械に投入するというシンプルな手続きです。
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↓の写真のように、丸い穴が投入口なので、そこにペットボトル、瓶、缶を一つずつ投入するだけです。
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機械の中でスキャンされ、裏側で自動的に分別されるようになっているので、順番や分別は気にする必要なく、投入できます。
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全部投入したら「Pantknap」という緑色のボタンを押すと、返金金額が書かれたレシートが出てきます。その場で返金額を募金することもできるので、募金する場合はもう一つの黄色のボタンを押しましょう (スーパーLidlでは小児科に募金するそうです)
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そして、返金金額が書かれたレシートをレジに持っていくと、合計金額から返金金額分を差し引いてくれます。
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ちなみに、手渡しする必要はなく、買う商品と一緒に置いておけば、店員さんがレシートをスキャンしてくれます。
対象外のものもあるので要注意
ただ、必ずしも返金が受けられるわけではありません。缶やボトル(もしくは値札)に「Pant」と表記されているものが対象なので、ワインボトルは対象外だったりあします。(間違えて投入すると「ぶぶっ」と押し返されます)
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Pantの種類
Pantには、A, B, Cと3種類あり、それぞれ返金される金額は下記の通り異なります。
Pant A = 1 クローネ (1L以下の瓶または缶)
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Pant B = 1.50 クローネ (1L以下のプラスチックボトル)
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Pant C = 3 クローネ (1L〜20Lの瓶、缶、またはプラスチックボトル)
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環境対策にとても積極的な国、デンマーク
以前のnote記事「とっても高いスーパーのレジ袋」でもお伝えした通り、デンマークは環境対策にとても積極的な国です。
しかも、かなり早い時期にレジ袋を有料化したように、資本主義的なアプローチで消費者に行動を促すのが特徴的です。とても合理的だなぁと思う一方で、ルールを知らないとちょっと損をしてしまうので、もしデンマークに訪れる機会があれば、ぜひリサイクルしてみてください。機械が分別する様子を見るだけでも楽しいですよ♪
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【追記】ドイツ在住のにかさんに本記事を取り上げていただきました!
ドイツでもまったく同じ仕組み・機械がつかわれているようです。にかさんの記事では、実際の機械の使い方をYouTubeで見る事ができるのでお勧めです〜。
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