デンマークで早く医者に診てもらう方法

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デンマークの医療は無料!! 

というのは良く言われることですが、患者の立場なら日本の医療システムの方が圧倒的に便利・・・と個人的には思っていたりします。

というわけで、今回の記事では日本では珍しいデンマークの「かかりつけ医」というシステムと、お医者さんに早く診てもらう方法を紹介しようと思います。

日本との大きな違い – 「かかりつけ医」という存在

日本との違いを整理すると・・・

  • デンマークでは、国が税金を使い医療費用のほぼ全てを賄うので、日本のように患者が病院で医療費を支払うことはありません。
  • 初期診断は「かかりつけ医」(家庭医・GPとも呼ばれます)に診てもらうことが大原則。大きな病院や耳鼻科・皮膚科・内科などの専門医に診てもらうためには、かかりつけ医による紹介状が必須です。
  • かかりつけ医の診断には事前予約が必須

この中で日本の医療システムと大きく違う点は、やはり「かかりつけ医」という存在。

いわゆる「家庭医制度」というのもので、最初の診断はあらかじめ定められた「かかりつけ医」に診てもらわないといけないという仕組みです。

指定かかりつけ医は、健康保険証ケードのYellow Card に書いてあります(デンマーク到着時のCPR番号申請時に決まります)

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日常的に起きるような病気や怪我であれば、かかりつけ医が診断・治療しますし、必要なら処方箋も出してくれます。

妊娠・出産に関しても、かかりつけ医の定期検診があります(正確にいうと、かかりつけ医・助産師・産婦人科医師が代わり替わり診察をしてくれる感じだそう)

ただ、専門医ではないので、複雑な治療は行えません。そのため、専門医や大きな病院での高度な治療や検査が必要かどうかの一次判断をするというのも、かかりつけ医の重要な役割です。

まぁ、イメージ的にいうと、学校の保険の先生が医師免許を持っているような感じかしら?

事前予約が取れない?!

といっても、保険の先生ほど気楽に会いに行くことはできません。

なぜなら事前予約が必須だから。

しかもその予約が全然取れない😅

予約は Min læge (私のお医者さん)というアプリで、オンライン予約できるのですが・・・

今日(3/9)の時点で、予約可能な日は3月25日と言われてしまいました。
なんと、2週間以上も先なのです 😱

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多忙期には3〜4週間先までいっぱいなことも珍しくないので、予約を取ることがとても難しいのデス。

そんなわけで、風邪とかインフル、腹痛などの軽度な症状、軽い怪我など、1週間程度で治るようなケースだと、自力で直した方が早いというシステムになっています (笑)

それでも直ぐに診断して欲しい場合

そうは言っても、病気や怪我は突然訪れるもの。

流石に救急車を呼ぶほどのものではないけど、今すぐに診てもらいたい時ってやっぱりあります。

ここからはデンマーク在住者もしくはこれからデンマークに住む方向けの情報ですが、3つのやり方があります。

  1. かかりつけ医のAkuttid(当日枠)を利用する
  2. Lægevagten (時間外電話相談)を利用する
  3. 薬局で薬剤師に相談する

方法① かかりつけ医のAkuttid (当日枠)を利用する

一つめの方法は、かかりつけ医が持っている「当日枠」をゲットすること。

かかりつけ医によって方法が異なるのですが、多くの場合は早朝8時に電話したり、病院に訪れると、緊急対応してくれるというものです。

具体的なルールはかかりつけ医のホームページに記載されていることが多いのですが、例えば僕のかかりつけ医の場合はこちら↓

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朝8時〜8時半の時間帯は事前予約なしで急性な症状診断ができます」と書いてあるので、もし何かあれば朝8時に行けば診てくれるそうです。

かかりつけ医によっては、「8時に電話してくれたら当日診断するか判断します」というところもあります。

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ちなみに僕のかかりつけ医の場合は、朝8時に電話すると、当日のオンライン診断の時間枠をくれることもありました。(Min læge アプリを使って先生と話しながら診断してもらうという方法です)

いずれにしても、かかりつけ医のウェブサイトで Akuttid、Akute Konsultation、Akute sygdom、Akute problemerといった単語を探すと分かると思います。

方法② Lægevagten (時間外電話相談)を利用する

いわゆる時間外の電話医療相談というもので、夕方16時以降や週末など、かかりつけ医が不在の場合に使える方法です。

使い方は簡単。

Lægevagtenに電話するだけ。

電話するとデンマーク語で案内が流れ、おおよそ30分以内ぐらいで当直のお医者さんに繋げてくれて、話しながら診断をしてもらえます。

場合によっては動画に切り替えて診断してくれたり、処方箋を出したり、緊急と判断したら病院の手配をしてくれるので安心です。

ちなみに我が家では、2回Lægevagtenにお世話になりました。両方とも事故による怪我なのですが、緊急性はないことが確認できたことでかなりホッとしました。

また、僕のデンマーク人の同僚は子供が熱を出したり、ゲーゲー吐いてしまった場合にLægevagtenを利用しているそうです。

電話で英語で症状を説明する必要がありますが、確実に診てもらいた場合はLægevagtenが一番おすすめかもしれません。

なおLægevagtenの電話番号は地域によって異なります(医療はRegionerと呼ばれる地方行政区画単位で行われているためです)

確かコペンハーゲン首都エリアは1813、オーフスを含む中央ユラン地域は70 11 31 31です。 https://laegevagten.dk/en/ を開き、地域を選んでから Medical Helpline を選ぶと電話番号がわかります。

方法③ 薬局で薬剤師に相談する

最後の方法は薬局で薬剤師さんに相談するという方法。

厳密にいうと診断ではないのですが、軽度な風邪や腹痛の場合には手っ取り早い方法です。

デンマークの薬局は Apotek と呼ばれ、日本と同様に薬剤師さんが処方箋のお薬を出してくれる場所です。

でも、普通の市販薬やサプリ、日用品なども扱っており、薬剤師さんに相談しながら購入することができます。

残念ながら薬剤師さんが処方箋を出すことはできないものの、症状を伝えれば症状に合わせて市販薬をお勧めしてくれるので、ちょっと安心です。

なにより予約不要でお買い物感覚で行けるのが気軽です。

まぁ日本のような総合感冒薬や漢方はないので、鼻詰まりならOtrivin、乾いた咳にはBenylan、喉が痛かったらStrepsilsのように症状に合わせた市販薬を選んでくれるはずです。

慢性的な症状の場合は?

咳が1ヶ月以上続く、胃のムカムカが止まらない、症状が繰り返してぶり返す、ななど慢性的に症状が続く場合、やはり専門医に診てもらいたいものです。

その時はかかりつけ医に診断してもらい、専門医への紹介状だしてもらう必要があります。

ただ、普通の方法で専門医にかかろうとすると、ものすごく待たされることがあります。

そこで効果を発揮するのが、プライベートな医療保険。

次回の記事では、無料医療が受けられるデンマークでなぜプライベートな医療保険が必要なのか、そのメリット、そして慢性的な症状になった時に専門医にかかってもらう方法について紹介しようと思います〜。

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