7月29日はいつもと違う国旗がなびく日

つぶやく シェアする

本日7月29日のデンマークでは、いつも見かけるデンマーク🇩🇰の赤い国旗ではなく、白地をバックに青い縁がついた赤十字の旗🇫🇴が掲げられていました。

なぜかというと、

今日はデンマーク王国の自治領「フェロー諸島」の国旗を祝う日だったから!

フェロー諸島は、イギリスの北に位置する18個の島々。

画像1

出典:フェロー諸島の地図 – CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=15748

デンマーク王国の一部ですが、独自の国旗を持ったり、EUに属さなかったり、かなり高度な自治権を保有しています。

***

歴史を辿ると、フェロー諸島は14世紀ごろまでノルウェー王国に統治されていましたが、デンマーク王国がノルウェーを支配したことをきっかけにデンマーク王国の統治下に移りました。

そして長らくデンマークの一部でしたが、第二次世界大戦が始まると、デンマークはあっさりとナチスドイツに占領されてしまいます。この時、ドイツに占領されなかったフェロー諸島は本国から切り離されてしまい、一時的にイギリスの保護化に置かれてしまいました。

でも戦時中に本国なしでも、なんとかなってしまったフェロー諸島。どうやら「デンマークに属してなくても問題ないじゃん」と、独立機運が高まったようで、戦後はデンマーク王国の一部ではあるものの、独立自治を望んだそうです。

実際、フェロー諸島は「違う国」とみなされることが多く、例えば僕のデンマーク在住ビザ(Residence Permit)は、フェロー諸島では有効でなかったりします。

***

さて、フェロー諸島の7月29日は「聖オラフの日」という最も大事な祝日の一つ。そのためマルグレーテ2世女王が祝辞のメッセージを出しました。(在日デンマーク大使館の公式Facebook)。

大昔、ノルウェーとフェロー諸島にキリスト教を広めたオラフ王の命日を起源とする祝日なのでデンマークではまったく祝いません。

そして、2016年に始まったばかりの慣習ですが、公共機関ではフェロー諸島の国旗🇫🇴が掲揚されます。(歴史が浅いので認知度はちょっと低いようですが・・・)

フェロー諸島では4月25日に国旗の日を定めているので、なんでそっちじゃないの?という声もありますが、当時国旗掲揚ルールを決めたデンマーク政府的にはフェロー諸島にとって一番大事な祝日を選んだとのことです。

***

さて、距離的にも政治的に遠いフェロー諸島の扱いは、デンマーク的には少し複雑なよう。

自治権は認めたものの、デンマーク王国には繋ぎ止めたいので、女王がメッセージを出したり、フェロー諸島の祝日に国旗を掲揚したり、一体感を醸成したいようです。(高度な自治権を約束しながら、姑息な政治圧力をかけているどこかの国とは違いますね・・・)

そんなわけで、デンマークの今日はフェロー諸島の国旗がなびく日でした〜。

画像2

つぶやく シェアする

\新着記事や🇩🇰の日常をツイートします/