お部屋探し③賃貸契約書の注意ポイント&詐欺被害に遭わないように気をつける点

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連続の賃貸ネタですが、今日はこれからデンマークに来る方向けの詳細情報をお送りしようと思います。

まずは、デンマーク語で書かれた賃貸契約書に関して、あまり日本語の情報がなかったので「賃貸契約書の注意ポイント」をまとめました。

また、コペンハーゲンやオーフスでは、外国人を狙った賃貸詐欺も多いそうです。言われるがままに敷金を払ったら、ドロン!ということもあるそうです。なので、オーフス大学から出ている注意点を整理した「詐欺に遭わないよう気をつける点」もまとめています。

かなりニッチな情報ですがちょっとでも誰かの参考になれば嬉しいです〜。

標準賃貸契約書の注意ポイント

デンマークの賃貸契約書は必ずデンマーク語です。
→ デンマーク語でなかったら、詐欺の可能性が高いです。

そして、多くの場合は国が作成している標準賃貸契約書が用いられています。
→ 標準賃貸契約書でない場合、詐欺の可能性がありうるので要注意です。

標準賃貸契約書は、右上に「Typeformular A, 8. udgave」もしくは「Typeformular A, 9. Udgave」と書いてあるはずです。それぞれ、Form A8 もしくはForm A9 と呼ばれています。

2015年に賃貸に関する法律が変わったため、Form A9を使うことになっています。ただし、面倒くさがってなのが、Form A8を使い続けている大家さんも多いようです。(Form A8を使っている場合は、後述する注意ポイントを確認してください)

Form A8/A9は、いずれも11個の条項から成り立っています。

どれも重要なので、Google Translateにかけてきちんと読むことをお勧めしますが、基本構成は下記の通りです。

Section 1. 住所・広さ・敷地条件などの基本情報

Section 2. 契約期間

Section 3. 家賃およびUtility Fee や、振込先などの支払い条件

Section 4. 敷金(Deposit)、前払い家賃(Prepaid Rent)、初月家賃など、入居前の入金額

Section 5. 光熱費を大家が負担するかどうか詳細条件

Section 6. 共有エリア、インターネットなどの詳細条件

Section 7. 入居時の内装確認に関する条件 (Form A8の場合は退去時の内装確認条件を含む)

Section 8. 入居中の修繕やメンテナンスを大家が負担するかどうか詳細条件

Section 9. 備え付けの設備(IHコンロ、オーブン、冷蔵庫など)

Section 10. ペット・喫煙の可否やハウスルールの有無など

Section 11. 個別規定

どの項目も重要ですが、Section 1〜4は、金額や日付が記載されているので大家さんとの事前の取り決めと齟齬がないか確認しましょう。

そして、太字にしたSection 2、5、7、10、11は少し注意が必要です。

Section 2には、契約開始日が書いてありますが、契約終了条件も書いてあります。

注意しないといけないのは、契約期間が「定期限定」か「自動更新」かという点。「定期限定」の場合、もしかすると契約期間終了後に契約更新ができない可能性があり、また次の家を探さないといけません。長期間住む場合は、「自動更新」になっているか確認した方が良いでしょう。(自動更新の場合は、契約解除まで継続するという意味で、fortsætter, indtil det opsiges と書いてあるはずです)

Section 5には、光熱費負担の詳細が書いてあるので、どこまで自分が負担しないといけないのか確認しましょう。

Section 7には、入居時に内装・設備の破損・不具合を見つけた場合、契約開始日から14日以内に書面で大家に通知する旨が書いてあります。退去時のトラブルを避けるため、忘れずに確認しましょう。

Form A8 の場合、Section 7は特に注意が必要です。ここでは、以下の内容が明記されています。
– 入居時に内装がリフォームされているか
– 退去時に内装をリフォームする必要があるかどうか
– 入居時・退去時に内装状況を確認するレポートを作成するかどうか

退去時のリフォームが必要な場合は、トラブルを避けるため入居時・退去時の両方で「内装状況を確認するレポートを作成する」にYesが入っていることを確認した方が安心です。併せてリフォームの条件が Section 11 に記載されていないか確認してください。

Section 10には、家やアパートが設けているハウスルールがないか確認しましょう。例えばですが、階段などの共有部分を持ち回りで掃除をしないといけない等のハウスルールがあるそうです。ハウスルールがある場合「びっくり!」がないように事前に確認しておきましょう。

Section 11が最も重要です。ここには、標準契約に記載のない内容や、標準契約の条件を変更する内容が記載されます。(例えば、退去通知を既定の3ヶ月から2ヶ月に短縮するといった個別条件) 

特に注意しないといけないのが、退去時の責任に関する条件毎年の家賃改定条件です。

例えばですが「退去時に内装リフォームが必須」という条件が記載されていることがあります。2015年の法改定前までは、入居時の状態よりも良くなるような内装リフォームを、退去時に請求する悪質な条件があったそうです(現在は違法です)。なので、退去時に内装リフォームが必須となっている場合は、入居時に同レベルの内装リフォームがされていることを確認しましょう。古いForm A8は、この条件が曖昧に書かれているので特に注意です。

また、Section 11にて、退去時の1〜2週間のメンテナンス期間を設定している場合があります。メンテナンス期間が設定されている場合、契約終了日よりも早く退去しないといけないので、念のために確認しておきましょう。

2015年の法改正によって、毎年の家賃改定は国が定めたインフレ率にしたがって計算することになりました。過去には、毎年一定の金額だけ家賃を上昇させる “stepwise increase” というものを選択することができたそうですが、現在は違法になっています(と思います)。古い Form A8 では、この stepwise increase が Section 11に 残ってしまっている可能性があるので、もし残っていたら変えてもらった方がいいかもしれません。

もっと詳細に知りたい方は↓のウェブサイトが参考になります。
https://www.lejeloven.dk

詐欺に遭わないよう気をつける点

Facebookやオンライン掲示板で賃貸物件を探すことが多いデンマーク、賃貸詐欺も多いそうです。

特に状況が分からない外国人が狙われているそうで、立地が良く、好条件なのに家賃が安い!と思って敷金・家賃を送金したら音沙汰がなくなった・・・なんてことにならないよう注意が必要です。

オーフス大学のウェブサイトにも注意喚起のページがあったので、注意点をリストしておきます。

以下の内容に該当する場合は詐欺の可能性が高く、要注意です!!

1. 立地の割に相場よりも異様に安い

2. 賃貸契約書が英語(賃貸契約書は常にデンマーク語です)

3. 賃貸契約書の形式が標準的な Form A8/A9 でない

4. 正確な住所(部屋番号含む)を教えてくれない / 大家さんの電話番号が不明 / 内見をさせてくれない

5. 契約書にサインする前に敷金・家賃を送金するように言ってくる

6. 敷金・家賃の振込先に、デンマーク以外の銀行口座やWestern Unionなどの送金サービスを指定してくる

7. 敷金・家賃支払いに、デンマーク・クローネではなく、ユーロを指定してくる

8. 現金支払いを要求してくる(デンマークでは、家賃の現金手渡し払いは違法!!

9. CPR (デンマーク版マイナンバー) の登録に、住所を使ってはいけないと言われる(デンマークでは必ず住所登録が必要なので、CPR登録に住所が使えない場合は合法的に住むことができません)

以上、デンマークで家を借りる場合の契約書と詐欺被害を防ぐ注意ポイントでした〜。

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