盗難自転車を買ってしまう「自転車詐欺」に遭ってしまった話

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奥さんの大学院留学に帯同するため、会社を辞め、デンマーク第2の都市オーフスに住んでいるひぐちです。

ちょっと恥ずかしい話なのですが、実はオーフスに来て2週間も経たないうちに、盗難自転車を買ってしまうという自転車詐欺に遭ってしまいました 😭

振り返ると、違和感という黄色信号が何度も灯ったので、注意していれば被害を未然に防げたはずでした。しかし、この違和感をスルーしてしまい、結果的に700クローネ(約12,000円)も騙し取られてしまいました。

精神的なダメージでかなりへこみましたが、自分への戒めと今後の詐欺被害予防に役立つよう、事の顛末を2回に分けて記事にしてみました。
1)盗難自転車を買ってしまった経緯(本記事)
2)被害に気がついた後の警察への届出体験記(次回記事)

デンマーク版ジモティで中古自転車を購入することにしました

デンマークに住むなら自転車は必須と言われるぐらい、デンマークは自転車大国です。自転車専用道路や駐輪場もしっかりと整備されている事に加え、オーフス市内/近郊なら自転車で移動できる距離なので「オーフスに着いたら早めに自転車を買おうっ!」と夫婦で計画を立てていました。

ただ、無収入夫婦にとって5,000クローネ(約85,000円)もする新品自転車は論外だったので、DBAというデンマーク版ジモティで安い中古自転車を購入することにしました。

DBAは、デンマークで最も使われているオンライン・フリーマーケットで、日本のジモティのように個人間で様々な商品が売買ができるようになっています。出品者が売りたいものを写真付きで出品し、購入希望者がDBAのチャット機能で価格と受け渡し方法を問い合わせるという仕組みです。Denmarkの小包は値段が高いらしく、郵送ではなく直接会って商品の受け渡しと支払いを行う事が多いそうです。

DBAのスクリーンショット – タイル写真が出品情報
(デンマーク語なのでGoogle翻訳かChromeの自動翻訳があると便利)

DBAのスクリーンショット

実は自転車を買う前に、このDBAで中古プリンターを購入しました。その際の取引が想像以上にスムーズだったので、「俺、DBAマスターじゃん。なんでも安く買えるぜ」と調子に乗ってしまったのが、一番良くなかったと思います。

この後、自転車を購入するにあたり「違和感」という黄色信号が何度も点灯するのですが、調子乗り性格が発動し、スルーしていくのです(恥)

違和感その①  自転車のシリアル番号と出品者の本人証明

DBAで、Cykler(自転車)と検索するとかなり多くの出品が出てきます。その時の僕は、DBAマスターになりきっているので、鼻歌を歌いながら「オーフス市内、予算は900クローネ以内、奥さんが乗れるサイズで籠がある方がベター♪」なんて検索をかけていきます。

しばらくすると、699クローネで希望条件に合う自転車が出てきました!
見た目は綺麗で、おしゃれなパープルカラー!フレームも斬新な形をしています。
(女性用の自転車なので、乗りやすいようにフレームが低い設計です)

スクリーンショット 2019-11-27 1.59.54

「これ、699クローネって安いじゃん! 良いね!」と妻とちょっと盛り上がりながら、出品者のBinjaminに購入したい旨をメッセージを送ってみます。すると直ぐに返事がきました!

この時点で、僕は2つの違和感(正確には疑問)をスルーしてしまいました。

スルーしてしまった1つ目の疑問は、自転車の出品情報になぜか記載されている「シリアル番号」に関して、「なんでシリアル番号があるんだろう?」という疑問です。

以前住んでいたアメリカでは、中古の自動車を購入する際には、自動車が個々に持っているVINというシリアル番号を使い、車両の状態・修理履歴を購入する前に確認するというのが常識でした。そうしないと盗難車や不正修理車を掴まされてしまうかもしれないからです。

その経験があるにも関わらず、出品情報のシリアル番号についての疑問を深掘りしないで進めてしまいました。Googleで調べればシリアル番号で盗難自転車か確認できると直ぐに分かったのに。。。

そして、スルーしてしまった2つ目の疑問は、「出品者の名前に表示されている『NemID Verified』というアイコンは何だろう?」という疑問です。

実は、「NemID※ Verified」となっている出品者は本人確認がされているため、ダミーや偽アカウントの可能性は低くなります。このアイコンについてもちょっと疑問に思ったのですが、DBAマスターと思い込んでいたので、詳しく調べてませんでした。

ちょっと調べたら、出品者のBinjaminが「NemID Verified」になっていないことは直ぐに分かったのに。。。

※ NemIDについては、「デンマーク版マイナンバー – NemIDのログイン方法」で記事にしているので、ぜひご一読ください!)

そして、そのまま正体不明のBinjaminと取引を始めてしまいました。
不注意な獲物が撒き餌に引っかかった状況です。

違和感その② 受け渡しの場所

受け取りの当日、事前に教えてもらっていたBinjaminのご自宅アパートまで向かいました。

その際、途中の通り道が工事中だったため、大きく遠回りしないといけなくなり、予定の時間より遅れてしまいました。デンマーク人は時間に正確と聞いていたので、焦りながら急いで向かったところ、指定された住所のアパートの敷地外の道路でBenjaminが待っていてくれました。

この瞬間、また違和感が訪れます。「あれ?どうしてアパートから遠く離れた道路で待ってるの?」という不思議な違和感です。僕は「遅刻している💦」という焦りもあったので、一瞬横切った疑問を深く考えずにBinjaminと話を始めてしまいました。

もう少し注意深く見ていたら、そもそも渡された住所にアパートの部屋番号が記載されていなかったこと、待つにはあまりにも不自然なぐらいアパートの玄関から離れていたこと、自宅から出てきた割りには荷物が多かったこと、を踏まえて、Binjaminはアパートの住民ではない可能性に気がついていたかもしれません・・・

いよいよ獲物が仕掛けに入りました。Binjaminにとっては仕上げに入りますね。

違和感その③ 出品者の対応

Binjaminに自転車を見せてもらうと、妙に「Good Bicycle! Perfect Bicycle!」と片言の英語&強い東欧訛りで強く勧めてきました。フレンドリーなのですが、なんとなく早くお金を取引を終わらせたい雰囲気があり、また違和感が募ってきました。

ただ、自転車を持って帰らないと妻の通学に困ってしまうので、再度違和感に蓋をして、急いでブレーキやライトなどの基本的なところを調べることにしました。若干ブレーキが緩い感じでしたが、自分で直せるレベルだったので、まぁこれならOKと判断して、Binjaminに700クローネを渡することにしました。

するとお釣りをくれるそぶりがないのです。「DBAの出品価格は699クローネなので、1クローネのお釣りがあるはず」と思ったのですが、この時点で僕も早く帰りたくなってしまったので、「もう良いやっ」と再度スルーしてしまいました。今、思うとこのお釣りが出ない点が、「おかしいっ」と気が付く最後のチャンスでした。

こうして獲物はまんまと騙され、盗難自転車に700クローネ支払ってしまいました。

違和感が確信に変わった時にはもう遅かった

新しい自転車で自宅まで帰ると違和感のモヤモヤは薄れ、逆に新しい自転車をゲットしたことが嬉しくて、ブレーキを直したり、隣人のドイツ人交換留学生カップルに自慢したりとテンションアゲアゲでした。

でも、違和感のモヤモヤは消えたわけではなかったのです。

2-3日後、2台目もDBAで購入しようと思い、別の自転車を探し始めました。その瞬間、Binjaminとのやり取りが全部削除されていることに気がつきました。出品情報も、Binjaminのプロフィールも、僕の履歴から消えていたのです※!

※ どうやら購入者とのやり取りを含めて出品者が出品情報を根こそぎ削除できるという、DBAの謎仕様があるようです。

ここで、ようやくアハ!モーメントです。ここまでに感じた違和感が全部繋がりました。直ぐにGoogleで「Denmark Bicycle Serial Number 」と検索したら、デンマーク警察から盗難自転車判定アプリが出てるではないですか!

藁にすがる思いで、警察アプリ「Politi」に自転車本体のシリアル番号を入力しました。

その時の結果のスクショが↓です

画像3

大当たり、やられました・・・ _| ̄|○

この時は本当にへこみました。DBAマスターだと思っていたのに、ただの馬鹿では無いか〜 (T-T)

気を取り直して色々調べると、デンマークでは盗難自転車に乗ることは当然のこと、盗難自転車を売るのも買うのも犯罪とのことでした。かと言って自転車を放置するわけにはいけないので、意を決して警察に報告することにしました。

その警察報告レポートは👇です。

中古自転車を買う場合の注意点

オーフス市やオーフス大学のオリエンテーションでは、自転車を買うことが推奨されますが、盗難自転車についてはあまり注意喚起されません。またウェブ上でも日本語の情報はありませんでした。

なので、もしデンマークで中古自転車を買う場合(DBAやFacebookなどの個人間取引の場合は特に!)は、👇の記事を要チェックです!(随時、最新情報にアップデートしています)

僕のように騙される人がいなくなりますように!

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盗難自転車を買ってしまう「自転車詐欺」に遭ってしまった話」への3件のフィードバック

  1. ピンバック: 詐欺で購入した盗難自転車の届け出プロセス – Living in Denmark

  2. ピンバック: 中古自転車を安く・安全に買う方法 – Living in Denmark

  3. ピンバック: 中古自転車を買う際に注意すべきこと – Living in Denmark

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