【詳細版】翻訳認証-海外で戸籍や免許証を公的書類として使う時の手続き

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世界的なロックダウンで、留学・ワーホリ・駐在などの海外滞在しにくい雰囲気ですが、今日は忘れないうちに記録しておこうと思った「公的書類の翻訳と翻訳認証」について書きます。

海外大学に出願する時や海外に住む場合、日本語で書かれた公的書類を翻訳して提出するケースがちょいちょいあります。

妻の場合、大学院出願時に戸籍謄本の翻訳が必要でした。なぜなら、結婚して名前が変わったからです。

願書には、学部時代の卒業証書/成績証明書の写しを送らないといけないのですが、記載されている名前は旧姓です。そのため、結婚して名前が変わった証明として戸籍謄本を併せて提出しないといけませんでした。

残念ながら日本の公的機関は英語で書類を発行してくれないので、戸籍謄本を英訳する必要があります。ただし、適当に翻訳したものではNGで、正しい手続きとして公証人による「翻訳認証(Notarization)」という手続きを取る必要があります。

さらに、外務省が翻訳認証に国際的なお墨付き与える「アポスティーユ認証※」という手続きが必要な場合もあり、結構大変です。

ざっくり流れを書くと↓な感じで、最低でも1〜2週間は時間を要します。

図1

さらに、デンマークに来てからも、CPR番号の申請や免許証切替手続きする際に、戸籍謄本・免許証の翻訳認証が必要だったりします。

この翻訳証明、意外に時間がかかる&手間なので、流れをnoteにまとめておくことにしました。

また、日本国内で取得する方法と、現地の日本大使館で取得する方法の2種類があるので、それぞれ手続きを紹介しておきます。

日本国内で取得する場合(都内の場合)

■ステップ① 戸籍謄本を入手する

通常通り、戸籍を登録している区市町村の役所にて戸籍謄本を申請します。

申請できる戸籍は、全部を記載している戸籍謄本と一部を記載している戸籍妙本の2種類があります。戸籍妙本だと必要な情報が足りず、やり直しのリスクがあるので、戸籍藤本の方が安心です。

■ステップ② 翻訳業者に依頼するか、自分で翻訳する

戸籍を翻訳します。業者に頼んでも良いですが、自分で翻訳することも可能です。

国によっては、指定された翻訳業者や資格をもった翻訳者でないとNGなことがあるので、大使館や大学のウェブサイトで確認してください。

デンマークの場合は、翻訳者の指定や必須資格はありません。

■ステップ③ 翻訳したことが正しいことである英語の誓約書を作成する

法律的には、公証人は「翻訳の正しさ」を保証するわけではなく、「正しい翻訳をしてもらったことを本人が誓約した」ことを保証するという仕組みです。

なので、「私〇〇は、翻訳することに堪能なXXに翻訳すること依頼し、その翻訳内容が正しく翻訳されていると理解しています」というような文面を準備し、公証人の目の前で署名するという手続きを行います。

なので、公証役場に行く前に、↓のような内容を書いた書面を準備しておきます。この時点では、書面に署名はせずに、空欄にしておいてください。(少し格好良い感じで書いてあります)

翻訳業者に頼んだ場合:
Declaration
I, <自分の名前>, declare that I asked <翻訳者の名前・会社名>, who is a professional translator and native Japanese speaker with an excellent command of English, to translate the following document. The document is, to the best of my knowledge, a true and faithful translation of the said document, which is written in Japanese. 
・ <文書の名前 (戸籍謄本の場合: Certified copy of the <自分の名字> Family Register (Certificate of All Items) )>

<日付(公証人の目の前で署名する日)>

<署名するための空欄(公証人の目の前で署名するので空欄にしておく)>

<自分の名前>
<住所>

自分で翻訳した場合:
Declaration
I, <自分の名前>, declare that I am a native Japanese speaker with an excellent command of English and translated the following document. The document is, to the best of my knowledge, a true and faithful translation of the said document, which is written in Japanese. 
・ <文書の名前 (戸籍謄本の場合: Certified copy of the <自分の名字> Family Register (Certificate of All Items) )>

<日付(公証人の目の前で署名する日)>

<署名するための空欄(公証人の目の前で署名するので空欄にしておく)>

<自分の名前>
<住所>

■ステップ④ 東京都※の公証役場を選び予約する

東京法務局のウェブサイトに、都内の公証役場のリストがあるので、好きなところを選んでください。公証人の手数料は法律で定めらた金額なので、どこを選んでも同じ(はず)です。

公証役場一覧:東京法務局

事前に、電話/ウェブ/メールで予約し、手数料、必要持参物を確認しておくとスムースです。

※ 東京都の公証役場では、翻訳認証と併せてアポスティーユ認証をワンストップでしてくれます。他の地域では、公証役場で翻訳認証をした後、別途法務局や外務省に行き、アポスティーユ認証手続きを別途行う必要があるので、都内の公証役場で手続きするのがおすすめです。

■ステップ⑤ 公証役場に行き翻訳認証とアポスティーユ認証を受ける

下記のものを持って、公証役場に行きましょう。

・戸籍謄本の原本
・翻訳した戸籍謄本
・ステップ③で作成した宣誓書
・身分証明書(免許証など)
・認印
・手数料

受付を済ませてしばらくすると公証人に呼ばれるので、公証人の目の前で宣誓書に署名を行います。

その後、しばらく待つと 誓約書・翻訳した戸籍謄本・戸籍謄本の原本・翻訳証明・アポスティーユ認証を束ねた書類が渡されます。

印鑑と署名だらけの厳かな書類です。これで国際的に使用可能な公的書類ができました!

コペンハーゲンの日本大使館で取得する場合

おそらく、免許証を翻訳するケースが多いと思いますので、免許証翻訳を想定したケースで流れを書いておきます。

■ステップ① 免許証を忘れずに持ってくる

免許証の原本が必要なので、忘れずに持ってきましょう。

※ 戸籍謄本を翻訳する場合は、出国する前に戸籍を登録している区市町村の役所にて戸籍謄本を入手しておきましょう。

■ステップ② 翻訳業者に依頼するか、自分で翻訳する

免許証を翻訳します。業者に頼んでも良いですが、自分で翻訳することも可能です。

なお、後述するステップ③にて、翻訳内容の修正が入る可能性があります。業者に依頼する場合は、WordやPowerPointなど修正できるフォーマットでデータをもらっておくほうが無難です。

■ステップ③ 日本大使館にメールで申請する

コペンハーゲンの日本大使館のウェブサイトを確認して、「各種証明仮申請書」をダウンロードし、必要事項を記入します。

証明関係

そして、下記の3点を添付して指定された大使館メールアドレスに申請メールを送ります。

・記載済みの各種証明仮申請書
・免許証の原本の写真
・免許証の翻訳文

翻訳文に間違いや過不足があると、メールで指摘されるので、適宜直しましょう。約1週間ぐらいで準備してくれます。

■ステップ④ 日本大使館に行く

下記の書類を持って、日本大使館にいきましょう。混んでなければおおよそ30分ぐらいで手続きが完了して、認証された書類をもらえます。これは、基本的にデンマーク国内で使える公的書類です。

・パスポート
・免許証の原本
・手数料(現金オンリー)

ちなみに、手数料は現金のみなのでご注意を! (デジタル・デンマークの中にいると旧石器時代?!な感じ。恥ずかしくてため息が出ます・・・)

***

手数料的にはコペンハーゲンの大使館で、手続きする方が安いです。
(公証役場は約1万円強、大使館は約5,000円)

ただし、大学に出願するための書類に翻訳証明が必要な場合は、まだ日本にいる時だと思うので、日本の公証役場での手続きになると思います。

また、大使館は準備に1週間ほど要し、オーフスなどの地方に住んでいるとコペンハーゲンまで赴く必要があるので、デンマークに来てすぐに書類が必要な場合は出国前に作成しておくのが安心かもしれません。

***

コロナの状況が改善して、海外留学・ワーホリ・駐在が増え時に役立ちますように!

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