デンマークの短い就労時間の秘密は昼休みにあり?!

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デンマークに来てから残業をすることがほぼ無くなりました。

日本で働いていた時は、管理職だったこともあり、帰宅は早くても10時というのが当たり前でした。

だから夕食を食べるのは深夜近く・・・。

でも!

ここデンマークで仕事をし始めてからは、オフィスを4時に出るのが日常。

スーパーで買い物をちょこっとしても5時前には帰宅できるので、奥さんと料理をして(奥さんの方が料理が上手なので、手伝うと言った方が正確ですが・・・)、6時前後には夕食です。

日本で暮らしていた時にも、かなり健康的な生活リズムになりました。

***

さて、「残業」については👇の記事を書いたことがあります。

また、「あえて仕事を無視」することで、重要な仕事だけにフォーカスする考え方も紹介しました。

でも、よく考えたら通常の就労時間について書いてませんでした。なので、今回は就労時間について紹介しようと思います!

ちなみに、『日本と違う「働き方」』や『リアルな職場から』では、デンマークの会社での仕事や同僚や上司とのやりとりを通じて気がついた事や面白かったこと事を書いた記事がたくさんあるので、ぜひご覧ください。

デンマークの労働時間は週37時間

デンマークの会社員(デ: funktionaerloven・英: Salaried Employee)の労働時間は週37時間というのが一般的。

日本だと労働時間を週40時間(1日8時間x5日間)と定めている会社が多いので、37時間はちょっと中途半端な時間ですが、僕の会社では月〜木曜日の労働時間が7時間半、金曜日は7時間、というまさに花の金曜日!!

ちなみに日本の場合は、労働基準法が「週に40時間・1日8時間以内」というルールを定めているので、多くの会社が週40時間労働を基本にしています。

一方で、デンマークでは基準となる労働時間は法律で定められておらず、基本的には会社と社員の契約によって自由に決められる項目になっています(ただし上限の労働時間は定められています)

でも、一般的に週37時間というのが慣習的に当たり前になっているようです。

なぜか日本よりも短い拘束時間

1日8時間労働の日本と、1日7時間半労働のデンマーク、たったの30分しか違いがないように見えますが、デンマークの方が圧倒的に拘束時間(いわゆる就労時間)が短く感じられます。

残業がまったく無いケースで、朝9時出社を想定した場合、日本なら会社を出るのは夕方6時(8時間労働+1時間の昼休み)になると思います。

一方で、デンマークの会社だと、同じ朝9時出社でも4時半には帰ってOK(金曜日はさらに30分短い!)

労働時間が30分しか違わないのに、帰宅できる時間が1時間半も早い!!

日本よりも早く帰れる理由

なぜ?と思うかもしれませんが、この不思議なカラクリはお昼休み!!

日本の場合、労働基準法で「6時間超8時間以下の労働者は45分以上の休憩を取らないといけない」と定められています。さらに、「8時間を超えた場合は1時間の休憩が必須」となっているため、残業を前提としている日本の会社のお昼休みは1時間というのが普通。

一方で、デンマークではお昼休みの規定はありません。ただ、お昼ご飯は食べないといけないのでもちろん昼休みは当然あります。

でも、そのお昼休み休憩の時間は。。。

なんと!! たったの30分!!

超短いっ!!

もちろんお昼休みは就業時間には含まれないので、7.5時間労働に0.5時間のお昼休みを足した8時間がいわゆる拘束時間となります。

この時点で、日本の会社の拘束時間より1時間も短い!!

でも、算数が得意な方は「あれ? 9時に仕事を始めたら、朝9時+8時間だから、帰宅できるのは夕方の5時ではないですか?」と思うかもしれません。

実は、もう一つのカラクリを使うと、さらに30分早く帰れるんです。

お昼休みは義務?権利?

日本の場合、休憩は法律上の「義務」。管理監督者は、社員を正しく休まなせないと罰せられるので、日本で僕が管理職をしていたときは昼休みにこっそり仕事をしていたメンバーを注意してました(どうしてもお昼休みに仕事をしてもらった時は、別途休憩時間を確保しました)

でも、デンマークの休憩は「権利」という扱い。だから、お昼休みは社員の判断で取る・取らないを決めてOK。

そして重要なのは、お昼休みに仕事をしたら早く帰れるという点。

これがさらに30分早く帰れるカラクリ。

つまり、日本よりも30分労働時間が短い上に、休み時間に仕事をしたら、その分早く帰って問題ないのです。それが、4時半に帰れてしまう理由。

実際、僕の会社では3割ぐらいの人がお昼ご飯を食べながら仕事をしています。

労働者を守る労働基準法が社員の自由を縛る日本

まとめると、残業がなかったとしても、お昼休みの時間と扱いの差で、日本の会社員の帰宅時間は、デンマークの会社員よりも1時間以上も遅くなってしまう!l

日本の労働基準法は、労働者を守るために休憩時間を義務化しているのですが、実はそのせいで拘束時間が長くなっているという矛盾なんです。

デンマークで働き始めるまでは、休憩時間のカラクリに気が付きませんでしたが、よくよく考えたら、休憩時間を返上して早く帰りたい人は日本でも多いはず。

でも、日本では法律違反になってしまう可能性が高いので、そういう柔軟な運用はとてもやりにくい。

まぁ、日本の場合は残業が当たり前なので義務化しないと本当に休憩できなくなる、昼休み働いたからと言って早く帰れない、などなど、ブラックな商習慣があるので、一概にデンマークと同じにすれば良いというわけではありません。日本の労働時間に関する社会問題は、一概に法律の問題だけではなく、文化的な所に起因しているから難しい・・・。

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さて、4時には帰れてしまうデンマークですが、期待役割を担えないと「すぐにクビ」という難しさもあります。

どのくらい簡単に解雇できるのかは👇の記事で紹介したことがあるので、ぜひぜひご覧ください

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