デンマークの精子バンクの -Giving December-

つぶやく シェアする

noteさんによると12月は、寄付月間-Giving December- だそう。

1年の終わりに、寄付について考えてみませんか?「#寄付してよかったこと」でエピソードを募集します!|note社会

みなさんの「今年の寄付」を語り合いたくて実施したお題企画「#寄付してよかったこと」の結果を発表します。 【3/28追記】受賞作品をご紹介します この記事で募集していた、お題企画「#寄付してよかったこと」。寄付月間による選考の結果、最優秀賞1作品、優秀賞3作品が選ばれました。 詳細は寄付月間アカウントの結果発表記事もご覧ください。 最優秀賞 20,000円寄付して「お金」と「幸せ」について考えてみた(たみこさん) 優秀賞 百円玉で、私を救う(花 丸恵さん) 自意識過剰な私の社会貢献(Otamiさん) ブックサンタの活動報告を読んで、ちょっと泣きそう

https://note.com/notemag_society/n/n22071e77094e

実は、僕が働いているデンマークの精子バンク大手「European Sperm Bank」も、12月は-Giving December-のキャンペーンをしているので、今日はそのご紹介〜。

***

日本語の「寄付」と言うと金品提供のイメージがありますが、英訳にあたる Donation は日本語よりもちょっと広く、臓器提供や献血といったことも含まれます。

もちろん精子提供も Sperm Donation なので、「男性から寄付いただいている」という位置付け。

献血と異なり、人の命を救うわけではありませんが、 新しい命あかちゃんを授かるためにはたくさんの精子を提供してもらう必要があります。

画像
「新しい命」が授かるよう願いをこめたEuropean Sperm Bank のロゴ「Give Life」

特に欧州における精子バンクは、不妊治療に加え、同性カップルや選択的シングルマザー※といった女性の人生の選択肢を増やす手段という考え方が広がっています。より多様な選択肢を確保するためにも、より多くの精子を確保することが重要なのです。

※ 選択的シングルマザー: あえてパートナーを持たずに、子供を産み育てることを選んだシングルマザーのことです。英語では、Single Mother by Choice もしくは Solo Mumと呼ばれます。

そんなわけで、European Sperm Bank では「 Donate to Donate 」キャンペーンを実施中!!

これは、精子提供いただく一回ごとに、25クローネ(約500円)をNGO団体に寄付するというもの。

寄付先は👇の3つ。

  1. Legeheltene (Play Heroes) – 遊びを通じて、入院中の子供達をサポートしている団体
  2. Bryd Tavsheden (Break the Silence) – 恋人や家族からの暴力被害を受けている少年・少女の保護・サポート団体
  3. Danske Hospitalsklovne (Danish Hospital Clowns) – 笑いを通じて入院中の子供達をサポートしている団体

European Sperm Bankの受付には、寄付先のラベルを貼り付けた大瓶が3つ置いており、精子提供者が来訪するたびに寄付したい先の瓶を選んでもらっています。

画像
コペハーゲン本社の受付に並ぶ瓶

最終的には、瓶に入った小さなクリスマスオーナメントの数 x 25クローネを寄付先団体に寄付します。

(精子を)寄付すると、European Sperm Bank がNGO団体に寄付をするので、 Donate to Donate寄付のための寄付 ということなのです。

精子と募金のふたつで、ダブル寄付で社会に貢献できちゃうキャンペーンです♪

👆の写真を撮影したのは12月2日なので少しですが、現在はもっとたくさん入っています。ドネーションセンターは30日までオープンしているので、もっともっといっぱいになるはずです!

 

***精子提供者になるのは難しい?!***
精子提供に関してちょっと補足)

画像

👆は「献血も精子提供も、大切な Donorドナーですよ」という精子提供者を募る広告看板。

ですが・・・、実は献血と異なり、精子提供者には簡単になれるものでありません。

European Sperm Bank では、非常に厳格な審査や医療検査を行なっています。なので、申し込まれた男性が正式な精子提供者として登録される「合格率」は5-7%程度。(率だけで見るなら、東大合格よりも難しい?!)

専任のコーディネータによる本人面談とパーソナリティ・経歴チェックに加えて、遺伝子検査、精子検査、尿・血液検査を経て、専門医による最終許可が出てOKになるので、かなり狭き門なのです。(詳細はこちらをご覧ください – 英語です)

また、同じ男性の精子で生まれた子供がカップルになってしまう偶発的近親婚のリスクを避けるため、精子提供者1人あたりの出生数の上限管理も徹底しています。だから、継続的に新しい精子提供者を募集し続けないと十分な精子を確保するのが難しかったりします。

日本では、精子バンクに関する法整備が不十分なため、非常にリスクが高い「個人間取引(グレー市場)」が多いそうです。(経歴詐称、性病、遺伝子病、金銭トラブル、不明瞭な法律上の親子関係などなど、様々なリスクが伴います)

一方で、デンマークでは規制やルールが整備されているので、管理はかなり厳格。ルールを明確化することで、精子提供者にとっても、提供を受ける女性にとっても安心で安全な仕組みになっています。

時間があったら別途noteで紹介しようと思いま〜す。

つぶやく シェアする

\新着記事や🇩🇰の日常をツイートします/

デンマークの精子バンクの -Giving December-」への1件のフィードバック

  1. ピンバック: 改めて自己紹介:僕がデンマークに来た理由 - Living in Denmark

コメントは受け付けていません。